新年度入りを迎えて

岡本 裕明

4月1日は日本人にとって幼少の時からの様々な思い出が頭をよぎる中、これからの期待、不安が混じる特別の日であります。これは他の国の人にはなかなかわからない習慣であります。海外に長いと9月スタートが普通になるのですが、個人的に何年経っても何の印象もわかないのは幼少期からの植え付けられた印象がないからでありましょうか?


新たなスタートを切るという意味では新年の抱負と違ってもっとビジネスや勉学に即した現実的な目標を立てることが多いと思います。特に企業は3月決算がいまだ主体ですから売り上げや利益、成長に対する今年度の目標という意味で正月のそれとはかなり趣を異にします。

さて、長丁場の一年が始まるにあたり、私もまだ中途半端な人生経験の途上ではありますが、思うところを記したいと思います。

私は、我慢強さと粘りはある方だと思っています。その中でも運動はかなり長く続けています。週3-4回、走るのはもう20年近くなりますし、それ以前は週5回朝6時半からフィットネスに行っていました。昔の様にレースに出てタイムを競うことから今では現状維持をどれだけ保てるかにシフトしてきています。

ところでランニングにおいて「走りだめ」ができないことは良く知られています。いくらまじめに走り続けていても極論すれば10日もサボれば元に戻るという恐ろしさがあります。それを思うと今日は絶対に走っておかねば、という強迫観念すら覚えながら「続ける」意味を感じ取っています。

「続ける」という意味ではこのブログも長くなりました。安定的に始めたのが2007年でそれ以降、365日、正月も海外との移動日も入院した時も止めたことがありません。よく続くね、と言われますが、こちらは毎日の蓄積の結果だという点でランニングよりも楽なのかもしれません。知識は蓄積することができます。ある事象に当たった時、蓄積された頭の中の記憶ドライブから関連知識を引っ張り出してくるとニュースを立体感をもって見ることができるのです。

私にとってブログは一つのアウトプットの方法でありますが、私のつぶやきに対して皆様から厳しいご意見を多数頂戴しております。これは何もコメントがないのに比べてどれだけ嬉しいことかと思っております。そのためにも絶対に怠れないのは高水準のインプットとチャレンジ、そして成長への足を止めないこと、これだけです。逆に言えば皆様の励ましが私のエキスでもあるともいえるのです。

私の会社は不動産事業が主体ですから足を止めてもある程度惰性で走ることは可能です。あるいは今の水準の事業規模ならば私が食べていくにはどうにかなると思っています。しかし、現状に満足してはいけないし、会社のトップである以上、同僚やスタッフと共に汗をかいてもっと上り続けなくてはいけません。登るのを止めたら私が社長である必要はないのです。

但し、上り坂にもいろいろあります。短距離走なら急坂でも耐えられますが、人間の余命がどんどん延びている中、持続不可能な無理な目標を立てる意味はありません。

多くの人は決まった時間に勤務してそのあと家族団らんや自分の時間がある生活を365回繰り返していると思います。それはその人の人生ですから構いません。ただ、私は一度だけの人生において今だから持てる感性を大事にしたいと思っています。その中でいくつもの「非日常」を日常に取り込みながら新たな切り口と対峙し、失敗を繰り返し、そして次に向かう、このあくなき人生の挑戦のスタイルもあることを4月1日だからこそお伝えしたいと思っています。

新たなる一年、頑張りましょう。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本 見られる日本人 4月1日付より