橋下徹氏が意欲を見せる「大阪都構想」の住民投票を来月17日に控える中、大阪市民を対象に共同通信社により実施された電話世論調査では、前回「賛成43.1%・反対41.2%」(3月14、15日)と拮抗状況にあったものが、今回「賛成36.7%・反対47.5%」(4月4、5日)と反対が約11%も上回る結果となりました。
之には、『維新の党と傘下の政治団体「大阪維新の会」が除名を決めた上西小百合衆院議員の問題が影響したとみられる』とも報じられますが、勿論「党のイメージを著しく傷つけた」上西氏の言動は此の結果に大きく影響したかもしれません。
報道されている通り、予算案採決の衆議院本会議が開かれた先月13日前後および当該問題発覚後の取材対応にあって、彼女の「一連の行動は極めて不可解な行動」以外の何物でもなかったわけで、コメントすることすらナンセンスに感じられる程に余りに低レベルな有り様です。
今回の件を受けて例えば、ある弁護士は「国会活動重視よりも、生活を優先されている感じ」と言われ、ある大学准教授は「国会議員としての立場というより、人間として見苦しい部分があります」とコメントされ、またある元女性議員は「国会議員になって、何がやりたかったのだろうか」と非難されています。
此の元議員は上西氏に対し、『「女子性」を武器にして生きることでの成功体験と、限界と挫折の先に、彼女は「政治業界」という、「そこそこ」でも過大に評価してくれる居場所を見つけたのに違いないのである』との指摘も行われております。
大阪維新の会が今回の処分に当たって発表した文書に拠れば、上西氏は日頃の言動についても問題が多く改善の見込みは全くなかったとのことですが、女性か否かというような部分にとらわれた候補者選定が為されたのであったならば、やはりそこに大きな間違いがあったのだと言えましょう。
昨年10月のブログ『小渕・松島両氏辞任に思う』でも、女性の人数合わせ的な感が否めなかった当時の大臣人事を批評したことがありますが、各政党にあっても選挙で勝てそうな女性云々と単純に考えるのではなく、能力・経験も含めた人物に基いて一国の将来を担う人材は選んで行かねばなりません。
先月も「民主党が国政選挙と地方選挙で女性候補の擁立に躍起になっている。27日から女性に絞った候補者の公募を開始。次期衆院選では女性候補を比例代表名簿で優遇する案も浮上している」というニュースがありました。
前回・前々回(12年・14年)の総選挙で2度も続けて自身の選挙区で敗れた比例復活組の上西氏ではありませんが、同じ過ちが二度と繰り返されぬよう人物本位の選考に努めて貰いたいものであります。
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