人前で話す時に聞き手の満足度を高める「3つの工夫」 --- 内藤 忍

アゴラ

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先週の土曜日から本日まで、5日間連続でセミナーや講演が続いています(写真は週末の4か国不動産投資セミナーより)。毎日、人前で話をしたり、他の人の話しているのを見ていると、どうやったら満足度を高められるかヒントが見えてきました。人前で話をする人が、セミナーの満足度をすぐに高められる3つの方法をご紹介します。


1.最初に全体像を見せる
セミナーに来ている人は、会場に入って、不安を持っています。冒頭で、そのセミナーが全体で何分くらいのもので、何の話をするのかを先にまとめて話してしまうことで、全体像を見せることができ、安心してもらえます。

例えば「今日は、皆さんのお時間を1時間頂き、資産運用の具体的方法についてお話します。最後の15分はご質問の時間を取ります」と冒頭に話してから、具体的な内容に入っていけば、頭の中に話が入っていきやすいのです。

「部分から全体」ではなく「全体から部分」を意識することが重要です。

2.「1対N」から「N対N」に双方化する
セミナーというのは、一方方向だと退屈で眠くなったりするものです。特にランチの後の午後のセミナーや、仕事で疲れている平日の夜のセミナーは、聞いているだけでは睡魔に襲われてしまうのです。そこで、受講者にも話をするセッションを入れてみましょう。

例えば、隣の人とペアを組んでもらって、お互いに与えられたテーマについて3分~5分ほどディスカッションしてもらう。「自分の資産運用の問題点についてシェアしてみてください」「今までのセミナーの内容でわからなかったことをシェアしてみてください」といった具合です。

講義するだけでは「1対N」だった単調なセミナーが、「N対N」の活気のある雰囲気に変わってきます。会場の雰囲気が和やかになって、受講者の表情が活き活きしてきます。

3.「おみやげ」をきっちり渡す
セミナーを聞きに来ているのですから、来るのにかかった交通費や時間、セミナーの参加費用をかける価値がある内容の提供は大前提です。終わった時に、家に持って帰ってすぐに使える「おみやげ」をきっちり渡せる内容でないと「価値>価格」とは言えません。

例えば、資産運用の1万円のセミナーに参加してもらい、手数料の見直し方法を伝授して、次の日に3万円節約できれば、参加者は充分に元が取れたと満足するはずです。

自分のセミナーが今日渡せる「おみやげ」は何か。雑談を聞きにきている訳ではありませんから、価値をしっかりと意識して、再現性のある形で提供することが必要です。

このように、話の順番を工夫して、受講者にも話をする機会を入れて、最後にメリットを持ち帰ってもらう。この3つを意識するだけで、セミナーの満足度は飛躍的に向上します。

今晩は早稲田大学オープンカレッジの講義です。今日も、この3つのポイントを意識して講義を進めていくつもりです。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年4月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。