「一時2万円台回復」後の日経平均株価予想

北尾 吉孝

先週金曜日の取引時間中、凡そ15年ぶりとなる20,000円乗せを果たした日経平均株価ですが、その後はさっぱりといった相場展開が続いています。今後に関する「市場関係者の見方」としては、「夏場には2万3000円も」(内藤一幸 三菱UFJモルガン・スタンレー証券機関投資家営業部担当部長)とか「9月に2万2000円目指す」(木野内栄治 大和証券チーフテクニカルアナリスト)、あるいは「15年度末には2万2000円」(若生寿一 野村証券エクイティ・マーケット・ストラテジスト)等々と様々です。


私の見通しは非常に強気で、22,000~23,000円までは簡単に上がって行く可能性が極めて高いと見ています。それは今年の『年頭所感』(15年1月5日)にも、『東洋史観では、日本は二十五年に亘る「陰」の時代を終えて二〇一三年から「陽」の時代に移行していると見ます。二〇一二年に表鬼門を通過しました。ここから裏鬼門の二〇三七年ぐらいまで「陽」の時代が続くと見ます』と述べた上で、「経済や株式市場は基本的に強い」と書いておいた通りです。

更に振り返ってみるに、3年程前に上梓された拙著『日本経済に追い風が吹いている』(産経新聞出版)の中で、日本の株式マーケットが強くなると述べています。当該書では「論点10:2012年、日本株は上昇する」で「割安な日本株が見直され株式市場は好転する」と題し、「日本株の過去のパターンからいえば、たとえば2000年以降の日経平均株価の推移を見てもわかる通り、2000年4月から2003年4月の3年間は下落して2003年4月から2007年7月の4年強は上昇、そして2007年7月から2011年11月の4年強は下落するというように、だいたい3~4年で一つの上昇・下降のサイクルがあるような気もしています。おそらく2011年11月を底に2~4年程度の中期的な上昇波動に入っているのではないかと見ています」と書いておいた通りです。

ある日本株ストラテジストも、「株式益利回りと債券利回り、株式配当利回りと債券利回りの大幅な乖(かい)離は株式が債券に比べて大幅に割安であることを示唆している。これが景気後退局面であれば利益・配当の減少を心配しなければいけないが、景気回復局面に入った日本・欧州では利益・配当の増加に対する期待が株式の魅力を高めている(中略)。さらに海外投資家が長年求めてきたコーポレートガバナンスの改善に日本企業がようやく取り組み始めたという手応えは、公的・準公的機関の株式投資と並び、今や日本株が投資パフォーマンスにおいて他を抜きん出ると期待される大きな理由の1つである」との指摘を行っています。

此の益利回りから考えてみても22,000~23,000円の突破は当たり前というもので、これから後何か特別に悪い話が出てこない限り、相場は先に述べた上昇波動の中でその数字に向かって推移するのではないかと思います。

最後に一言だけ、当社自身の「自社株買い」に対する私の考え方を簡潔に申し上げておきます。昨今その実施の有無等に関して、株主様より弊社広報に様々な御問合せを頂いているようです。しかし御問合せを頂いても、本件については一部特定の人だけにインサイダー情報を与えるような話ですから、何ら一切を申し上げるわけには行きません。SBI証券の『ポートフォリオ画面でも保有銘柄および登録銘柄が決算発表予定日の1か月前から決算発表日を含む5営業日後まで、「決算」マークが表示され』ます。当社は来月12日に決算発表を予定しております。自社株買いのやるやらないは別にして、常識的にこうした決算発表前に、そうしたことにコメントしてはいけないのです。いま弊社広報等に御電話を掛けられそれを行うか否かを尋ねられたとしても、之は御答え仕兼ねる話で何か冷たい応対のように思われる部分もあるかもしれませんが、当社決算発表後までは基本的に当該事項に一切触れられないこと、株主様には是非とも御理解を頂きたく宜しく御願い申し上げます。

BLOG:北尾吉孝日記
Twitter:北尾吉孝 (@yoshitaka_kitao)
facebook:北尾吉孝(SBIホールディングス)