遺伝子置換で「スーパーマン」出現か

アゴラ編集部

遺伝子治療の分野で長年、物議をかもしだし続けている問題に「デザイナーチャイルド(designer child)」とか「ジーンリッチ(gene rich)」という遺伝子操作技術があります。これは「優秀」な遺伝子を組み合わせて親や社会にとり「望ましい」子どもを人為的に選択して作り出す、というもの。いわゆる「優生学」的な発想から、人類の深層心理にはずっとこうした「思想」や「願望」があるのでは、とも言われています。


「望ましい」子どもを作り出すことは技術的にも可能といわれていますが、当初は遺伝病などの治療目的で発達してきた分野とはいえ、もちろんこうした「思想」は倫理的にも社会的にも激しく批判され、各国の医療政策指針などで法的にも厳しく禁止されている技術です。遺伝病にしても人類の一部の人たちや家系に残されてきた背景には、多様な自然環境へ適応する能力の一つとして必要だったから、という意見もある。また、がんや生活習慣病などのリスクにしても、遺伝的な要因だけを解決すれば必ず回避できるものでもありません。

表題の記事では、遺伝子移植による「スーパーマン」への願望は技術的理論的に達成されつつある、と紹介しています。もとの記事は「MIT Technology Review」というサイトの「Engineering the Perfect Baby」ですが、出生前から遺伝子操作を行うのではなく、遺伝子を移植する技術のようです。しかしこの流れ、ビジネス的な方向からの圧力は無視できないところでしょう。たとえば、強靱な骨格や筋肉を持たせたり、痛みや嗅覚などの感覚に対する感受性を低めたり、がんやアルツハイマー病、糖尿病へのリスクを軽減できたり、といったことができるようになるらしい。まだ、特定の遺伝子だけを選択的に取り替える技術は開発されていませんが、倫理的法律的にも議論を呼びそうです。

ただ、近いうちに多種多様な疾病へのリスクを回避できる遺伝子移植が可能になり治療を受けることができるとすれば、病気で苦しんでいる人たちを救うための治療を妨げるのは難しいでしょう。一方、こうした技術が確立されれば、冒頭に述べたような「デザイナーチャイルド」への歯止めをどうかけるのか、という問題が現実味を帯び、その議論に直面するはずです。ひょっとすると、大金持ちは自分のクローンを作ったり子どもを「デザイン」したり、という行為をすでに「ひそかに」行っているかもしれません。
BUSINESS INSIDER
10 super-genes that scientists could someday program into your body


スティック型PCで頭脳を持ち運びできる時代に
BPA JAPAN ORG
端末の形態がドンドン変化しています。タブレットで仕事をする人も増えている。学生さんなどはスマホで論文を出したりする時代です。この記事では、長さ約10cm、重さ54gのスティック型のPCを紹介。データやOSまで入っている。モニターやテレビさえあれば、すぐにその場で作業できる、というわけですがキーボードはどうするのか、という疑問がわきます。しかしデスク上へ写し出す架空キーボードもすぐにできそうです。

Intel Compute StickのHPより。

100 novels everyone should read
The Telegraph
誰がどんな本を読もうが自由ですが、我々は小学校時代から推薦図書を与えられてきました。すべての子どもが読む最初の本は、ほとんどの場合、親や大人から読み聴かされたものです。この記事でも100冊の小説を薦めていますが、日本の小説は『源氏物語』しかない。英語圏の読者に限る、という前提がほしいところです。

Aphrodisiac for fish and frogs discovered
PHYS.ORG
グッピーやカエルなどで作用する「性的媚薬」サプリメントが開発された、という記事です。ある種のペプチドらしい。これを与えられた線虫では、約80%も子孫が増加した、と書いています。ヒトの不妊症やED治療などに役立てられるんでしょうか。

ANA、スターウォーズ特別塗装787-9 世界初R2-D2ジェット
Aviation Wire
プラモデルを作った人はわかると思いますが、機体や車体のマークなどは糊の付いたデカールを貼り付けて飾り立てます。零戦のプラモデルなら日の丸のデカールがついてくる。最近の旅客機もデカールを貼り付けることで、大量の塗料を使わず、簡単にデザイン的な意匠を忠実に再現できるようになっています。ポケモンジェットで全日空は今回、映画『スター・ウォーズ』仕様の機体を就航させるらしい。B787がR2-D2になってます。

ANA「スター・ウォーズ プロジェクト」のHPより。


アゴラ編集部:石田 雅彦