ドローンの恐怖

ドローンの改良版が首相官邸に落ちていた問題は思った以上に波紋を投げかける気がしています。世の中の進化がよりスピードアップしている半面、我々の日常社会はあまりにも無防備であります。それはそんなことないと信じている性善説に立っているのですが、とんでもない輩はいくらでもいるという事です。


グーグルマップ上に奇妙な名称が現れたのも今週のニュースでした。皇居や警視庁、富士山を始め他の国の街でも同様のいたずらが発見されています。グーグルも性善説に立って一般の人が情報をどんどん書きこむ仕組みになっていることから発生した可能性があります。

今の世の中は利用者の情報をベースにその更新が進んでいるものが多くなっています。我々がお世話になるウィキペディアも一般人の書き込みが主体ですし、元を辿ればLinuxというマイクロソフトに対抗したオープンソフトの仕組みがその元祖だったともいえます。

グーグルや自動車各社が開発競争する自動車の自動運転。可能かどうか分かりませんが、プログラムを書き換えれば無人自動車が爆走する凶器となり悪用される可能性は否定できないでしょう。あるいはストーカーもどきの追跡自動車も作れるかもしれません。

我々の社会はより一層SFチックな時代へと踏み込んでいくのですが、その一方で人間が経験値として知らない防御があまりにもお粗末な気がするのです。

昔、日本にはいなかったブラックバスが繁殖し、それまでの種が絶滅の危機となっている話はよく聞きます。これはそれまでの生態系が新しい種によって変化し、対応できなかった結果、生物界の淘汰が起きるのですが、人類においてその最大の新種が最新のテクノロジーであるのかもしれません。

もちろん、私は技術革新、大いに賛成であります。が、その進化と共に我々がともに学んでいかなくてはいけないことがおろそかになってやしないかという警告は発したいと思います。

銀行のキャッシュカードができたころ、その暗証番号はカードの磁気に隠されていました。ですから当時、それを読みだす方法を見つけ犯罪が起きたのです。今では信じられないのですが、無から有を生み出す時、そのリスクがどこにあるか、開発者は想像がつかないのであります。

株の世界。ネット取引が当たり前になった時、見せ板や架空の注文を出し、市場をかく乱する事件がよく発生しました。これもシステムを開発した時誰も予想していなかったのではないでしょうか?

ドローンはアマゾンもアメリカなどで画期的な配達システムとして開発、研究しています。渋滞知らずだし、システムとしては非常によくワークします。ですが、とんでもない発想はあり得ます。今回は放射線らしきものが検出されたとありますが、生物兵器の散布なども簡単にできるでしょう。こうなれば十分な兵器です。あるいは飛んでいるドローンを撃ち落として商品を盗む輩が出ないとも限りません。散弾銃を使えば命中率は高くなりそうです。(笑)

世の中に今までの常識を覆した便利で生活を豊かにするものが次々と生み出される一方、我々のリスク管理はより重要になるはずなのに脇が甘い気がします。生物界の淘汰のケースで言うならばロボットが人間を駆逐するというSFにすら出てこないストーリーが起こりえないとは限らないのです。事実、人間は「外部記憶装置」(携帯、スマホ、パソコン、ナビ…)のおかげで既に自分の頭に記憶することを忘れつつあるのですがそれをはっきり認識している人は一握りでしょう。恐ろしいものです。

今日はこのぐらいにしておきましょう。