世界で一番、お酒を飲む国民は? --- 安田 佐和子

ニューヨークでは春の訪れとともに、ストリートに人が溢れテラス席をワイングラスを傾ける人々が埋め尽くし始めます。週末ともなれば、ミモザで乾杯!陽の光を感じながらのシャンパンは、贅沢な時間を演出してくれるというものです。


夜ともなれば、ディナーを囲んで再びボトルを開けてしまうこともしばしば。5月5日のメキシコの祝日、”シンコ・デ・マヨ”の酔いも覚めやらないうちに、ついつい飲んでしまうニューヨーカーをはじめアメリカ人のアルコール消費量はどんなものなのでしょうか?

経済協力開発機構(OECD)が34カ国の加盟国および中国など非加盟国6カ国あわせ、40カ国を対象に調査した世界各国での1人当たりアルコール消費量の統計(15歳以上、2010~2012年ベース)によると、アメリカは8.6リットルで24位。OECD加盟国平均の9.1リットル以下に収まっているんですね。

居酒屋文化が盛んな日本は、アメリカよりさらに少なく7.3リットルで30位。下から数えた方が早い位置にいました。お隣の中国は”カンペー(乾杯)”の文化で知られつつ、35位で5.8リットルというのは意外ですよね。都市部と農村部の違いでしょう。

気になるランキングは、以下の通り。


(出所:OECD)

飲んべえの国ランキングを制したのは、フィンランド湾を臨み東側にロシア、南側にラトビアを抱えるエストニア。平均気温5.2度と寒い土地柄のせいか12.3リットルと、堂々の1位を獲得しています。2位は音楽の都ウィーンをいただくオーストリアで12.2リットル、3位はワインの国フランスで12.0リットル、4位はセント・パトリック・デーでお馴染みアイルランドで11.7リットル、5位は中東欧のチェコで11.7リットルでした。

ランキングの上位は欧州が占めておりますが、OECD全体のアルコール消費量は減少トレンドをたどっています。例えばイタリアでは過去20年間で40%、フランスやポルトガルでも20%減少してきました。教育の賜物と健康志向の高まりにより、アルコール消費量が低下したと考えられます。

逆に中東欧のほか8位のロシア(11.2リットル)、中国など過去20年間での経済成長が著しい国々では50%も急増してきました。あと何十年も経てば、アルコール摂取量ランキングにおける上位の顔ぶれがガラッと変わる可能性もある?

(カバー写真:SomeDriftwood/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2015年5月14日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。