ロボットコンテストで日本が韓国に惨敗

6月6日に米国カリフォルニア州で、米国ペンタゴンの国防高等研究計画局(DARPA)が主催する災害対応ロボットのコンテスト「DRC」が開かれた。優勝賞金は約2億5000万円。屋外の多様な災害環境などを再現し、原発災害を想定したバルブの開閉といった項目をクリアする速度を競った。

優勝したのは、韓国の科学技術院(KAIST)チームで、2位と3位は米国のチームだった。日本からは4チームが参加したが、最高位は産総研の10位。韓国、米国勢に「ロボット大国」日本が「惨敗」といった結果になり、ロボット技術の関係者のみならず、日本中に衝撃が走った。


ホンダの「ツインリンクもてぎ」にある「HONDA COLLECTION HALL」。日本のロボット技術は世界中からキャッチアップのターゲットにされてきたのだが。

産総研などへロボット開発に資金援助をする経産省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、日本チームのロボットはこの大会だけに対応する準備をしていなかっただけ、と言っているようだが、それにしても4チームがすべて上位に入らなかったことは言い訳にならないだろう。

一方、このコンテスト用に万全の対策で臨んだ韓国チームは、米国や日本のロボット技術と肩を並べることができててうれしい、と謙虚だが、コンテストは勝たなければ意味がない。賞金も日本でロボット関係に投入される金額とは桁違いだ。日本チームは、各タスクで「妙技」を見せたようだが、ソフトウエアのバグが起きたり大事なところで転倒したりと「災害対応」の意味ではお粗末な結果となった。

ロボットに限らず、日本の技術は長期的な視野に立った応用力のあるものも多いが、得てしてそれに足を囚われ過ぎ、臨機応変なフットワークは不得意なのかもしれない。コンテストの勝敗は内外への影響が大きい。まして、DRCのように注目されているものには出る以上、上位を目指すべきだ。今回は惨敗したが、次回は絶対にリベンジしてもらいたい。

gizmag
Advanced robotics technology showcased at DRC


5 Things Fighter Pilots Know About Performance Under Pressure
Inc.
中学の同級生にスポーツ万能の友人がいたが、彼は陸上自衛隊へ入り、ヘリボーンの大型ヘリのパイロットを目指した。同じ中学では飛び抜けて運動神経のいい男だったが、パイロットの適性試験に落ち続け、結局、無線技士の道を選んだ。米軍のパイロットも同じように、同年代で多少、身体能力が優れているだけではだめなのだろう。この記事では、航空母艦に籬着艦を繰り返す女性パイロットのアドバイスを紹介している。高速度のジェット戦闘機をあの狭い甲板に降ろす、というのは我々が考えているよりずっと難しい。失敗が即、死を意味する。頑張り過ぎない、選択と集中、メモを取る、といったことが重要だそうだ。

Study of over 250,000 patients suggests that, before an operation, low blood pressure rather than high is a risk factor for death
EurekAlert!
手術前に高血圧であるより、低血圧のほうはより死亡するリスクが高い、という研究報告だ。交絡因子を排除して約25万人の臨床統計を分析すると、100mmHg以下の患者の死亡率は40%増加し、40mmHgの患者では約2.5倍の死亡リスクになっていたらしい。高血圧のコントロールが様々な疾患と関連することはよく知られているが、低血圧についてその影響はまだあまり研究されていない。術前の低血圧が予後にかなり強い関係がある、という興味深い報告だ。

White-beaked dolphins trapped in the ice and eaten by polar bears
Polar Research
ホッキョクグマ、つまりシロクマの食性は多様で、クジラを補食するのは珍しくない。だから、イルカを食べたとしても不思議ではないが、この報告では普段なら見かけない湾内に閉じ込められたイルカを運のいいシロクマが食べた、というもの。温暖化でイルカが迷い込んだ、と書いているが、この観察が本当にその影響かどうか即断するのは危険だろう。シロクマがクジラ類を食べるのは珍しくないし、イルカ類はときにおかしな場所へ迷い込むものだからだ。

クロマグロ等の展示について──クロマグロの導入 葛西
東京ズーネット
東京都江戸川区にある葛西臨海水族園といえば、昨年末から展示水槽内のクロマグロなどの大型回遊魚が大量に死んだ事故が記憶に新しい。周辺の干潟環境も含め、同水族園は世界的にもかなりユニークな展示で有名だったが、目玉であるドーナツ状の水槽を群泳する流線型の魚たちはその迫力といい、ダイナミックな採餌行動といい、流線型の姿形といい、ずっと眺めていても飽きない魅力的なものだった。このリリースでは、この3月から少しずつ展示魚の回復を試み、来週6月22日からいよいよクロマグロが導入された展示を再開する、と書いている。ただ、個体群の調整のため、以前のような1mを超えるようなクロマグロの群泳を見ることができるのはしばらく先になるそうだ。


アゴラ編集部:石田 雅彦