先日、突然の容量制限をかけたYmobileと闘った記事を書いたところ、ロケットニュース等にも取り上げられてけっこうな話題になりました。
都議会議員だけど、Ymobileと闘って無償解約を勝ち取ったった【雑談】
http://otokitashun.com/blog/daily/7562/
Ymobileを対岸の火事だと思っていたWiMAXについても、5月末あたりから「3日で3GB」という制限が突然かかったらしく、被害にあった方々の有志で集団訴訟にまで発展しそうな気配です。
WiMAX被害者達の一歩 あなたはUQを許せますか?
http://uqwimax.hatenablog.com/
いやあ、どこもかしこも大変ですね…なんて思ってみていたら、
【現在1400人超】WiMAX問題発起人@wimaxuser 都議会議員だけど、Ymobileと闘って無償解約を勝ち取ったった【雑談】 http://t.co/D8V0JjFDrn
「議員さんに相談はした?」との事でSoftbankでは有りますが同様の被害にあわれた都議会議員のおときた議員にも相談してみました。
現在連絡待ちです
?!!
し、白羽の矢を立てられてしまった…。
「公私の区別」というのがありまして、基本的に議員や政治家が介入するのは「行政VS市民(公VS私)」になるような公的領域のケースです。(そうじゃない陳情を聞いちゃう議員が大半なのが現実ですけども)
なので本来、こうした個別の「民VS民(私VS私)」のケースというのは積極的に取り組む案件ではないのですが、もちろんそれは程度の問題。
社会的問題で、行政対応すべきだと思えば、問題提起するのは議員の役割です。
とはいえ、こうした電気事業法や景品表示法は国政マター。
私は一介の地方議員ということで、何ができるか考えてみたのですが…
我が党の国会議員を巻き込むことにしました。
いでよ、偉い人!!
対応を快諾していただけたのは、表現の自由やインターネットの権利などに積極的に取り組む山田太郎参議院議員。
http://taroyamada.jp/
昨日の今日なので議員本人は残念ながら同席できなかったのですが、国会議員権限で早速総務省と消費者庁の担当役人との場をアレンジしていただき、彼の代理人である政策秘書とともに意見交換をして参りました。
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(意見交換の様子)
私なりに整理すると、このWiMAX速度制限問題には3つの論点があるように思います。
1.過大広告(「無制限!」とうたっているのに、制限がかかる)
2.説明義務の不履行(契約時に、制限について十分な説明をしていない)
3.無償解約の対応の差(無償で解約できる人とできない人がいる)
主に総務省の担当課長補佐とやり取りをしたのですが、5月からこの問題に関するクレームが入るようになり、7月にはかなりの数になったと。
なので問題としては認識していて、総務省としても適切に対応しきたいと思っているようです。
まず1番の過大広告については、www.uqwimax.jpすでに6月にWiMAX側に改善を要求済み。
HPの記載については相応の大きさで、「3GB制限」が記載されたと。
(これに「混雑回避のための速度制限(3日間で3GB以上利用時)があります」が追記されてる)
ただし、ポスターなどの広告はまだ直っていません。
こちらについては、順次つぎのバージョンから訂正される予定だそうです。
「そもそも、条件付きなのに『無制限』という言葉が許されるのか?」
「追記されたにしても、同じくらいの大きさで記載しないのは許されるのか?」
という点もツッコミましたが、これまでの前例に則ったガイドラインのため、ここまで順守していれば現時点でこれ以上の指導を入れるのは厳しいようです。
判例とかが必要になるってことですね…。
改善要求が出てから1ヶ月以上もポスター広告などが掲示されている点については、早い更新のタイミングで変えるように再度要請してもらえるとのこと。
んで2番の、契約時の説明について。
これについては「言った、言わない」の水掛け論になりがちで、敵(?)も去るもので契約書・説明書上は遵法の範囲内になっているので、明確に不誠実な説明をされたエビデンスがないと動くことは難しいと。
問題になってからはさすがに丁寧に説明するでしょうし、遡及的に証拠を集めるのは困難ですよね…これが事業者側の強気の根拠でもあるのですが。。
なんだか腑に落ちませんが、ここから突破するのはなかなか難しそうです。
そして3番目の、無償解約。
総務省としてはすでに
「広告などの誤認で契約をしてしまったユーザーには、無償解約するように」
と要請を出しているとのこと。
しかし現実としては、無償解約に応じてもらえなかったという声もあります。
これ、事業者側が明確にアナウンスを出すべきですよね。
上記の広告で「3日3GB制限」をHP上にすぐさま追記ができたように、
「制限適用前に事実を誤認して契約した方に対しては、無償解約に応じます」
等とHP上に明記をすることは、今すぐにでもできるはずです。
そんな事実をユーザーが知らないから泣き寝入りしてしまうわけで、現場対応が人によって異なるのも、恣意的にやっていると思われても仕方ありません。
この指摘について総務省の方は、
「それはその通りだと思います。要請に強制力はないので応じるかはわかりませんが、事業者(UQ社)にはHP上でもアナウンスを記載するように要請します」
というお答えをいただけました!
ここは大いに期待したいところです。
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上記のように総務省さんはけっこう前向きというか、この問題に真剣に向き合っている感触なのですが…。
一方で消費者たちの窓口となり、ガイドラインを引くだけではなく、実際に指導権限を持つ消費者庁ときたら、
「個別具体的な案件については、情報を開示できません!キリッ」
「問題を認識しているか否かについても、お答えしかねます!キリッ」
といった具体で、総務省がこれだけ問題視をしていて、実際に横でこれだけ話し合っているのに、何を言ってるんですかキミは?状態でした。
この対応については政策秘書のJ氏が厳しく問いただし、消費者庁の責任者クラスから再度の連絡待ちです。
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そんなわけで、本日段階でのご報告でした。
もちろん事業者側の言い分もありますし、すぐすぐ解決する案件ではありませんが、議員サイドから担当省庁へのプレッシャーが入ったことは、あながち無意味ではないと思います。
その他にも総務省さんとは色々と意見交換をしまして、悪名高き
「2年間契約、自動更新」
についても、今年の夏を目処に改善案を提示されるとのこと。
国政と連携しながら、こちらも適切な方向性に進むように政策提言を続けていきたいと思います。
また続報があればお知らせしますね。
それでは、また明日。
おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。
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