障がい者の「福祉作業所」の工賃を上げるには?

本日は斉藤りえ区議とともに、地元北区にある「王子福祉作業所」の視察に行って参りました。
(現地で写真撮り忘れた…)


福祉作業所」というのは一般の方には聞き慣れない施設かと思いますが、18歳以上の知的障がい者の方々が、文房具の袋詰や箱折り・備品の洗浄など、簡易作業をおこなって作業収入(工賃)をもらう場所です。

どんな障がいを持つ方でも社会に参画することを可能にし、また働く意欲を喜びに結びつけることを実現する場所として、非常に重要な行政政策の一つと言えるでしょう。

しかしながら、こうした作業所も様々な課題を抱えています。
何よりまず、工賃の金額。

袋詰などの単純作業は、一つ0.5円~1円程度。
切手の仕分けは金額の100分の1(1000円切手を見つけると喜ぶそうな)。
備品の洗浄作業もやはり、一つ1円程度。

こうした単純作業を朝から晩まで、20日間こなしたとしても、月々の工賃は1万円から1万5千円程度。当然、自分で「自立」するほどの金額には到底及びません。

そして産業の機械化と景気の後退に伴い、こうした知的障がい者の方々が得意とする単純作業は、残念ながら年々減っていきます。作業所に務める方々に仕事を割り振るのに精一杯で、工賃の向上まで考えてられないという作業所も多いようです。

実際の作業場を見ながら所長・職員の方とディスカッションをさせてもらいましたが、厳しい局面とはいえ、まだ工賃向上のためにできることはありそうです。

例えば、こうした作業所が受注している作業は行政からの発注や、昔から付き合いのある、あるいは自発的に連絡をしてくれる民間企業が中心で、自ら積極的に仕事を獲得したり、工賃交涉をするなどはできていない模様です。

この点については国も問題意識をもっており、

「目標工賃達成指導員配置加算」

というものがあり、要は仕事の獲得・工賃交涉のための営業部隊を配置すればその分の補助金加算をする制度自体はあるわけですが、基礎自治体や事業所にも自己負担が発生することもあって、積極的に動員している作業所は少なそうです。

蛇足ですが、行政はこうした「営業部隊」を採用するなどの『攻め』の政策を採用することに極めて消極的のように思います…。

また、こうした単純作業を受注する場合、例えば「北区全体の作業所で100万セット」というようにまとめて受注したほうが、スケールメリットが発揮できますが、各作業所がそれぞれ単独で受注しているとのこと。

こうした点を改善すれば、すぐ大幅アップと行かなくても、北区の福祉作業所の工賃を上げることは不可能ではないなと感じました。

明後日もまた、区内の別の福祉作業所を視察予定なので、こうした点を掘り下げて調査してまいりたいと考えています。

…とはいえ、実は福祉作業所は区立なので区議会マター
ですが、斉藤区議が当選したおかげで、区政のことにも関われるようになり大変嬉しい^^

以前のWiMAX記事のように国政ともパイプがありますし、小さいながら気軽に区政・都政・国政の立場を動き回れるというのは、手前味噌ながら我が党ならではの絶妙なポジションであると思います。

…大政党の地方議員とか、国会議員とは選挙の時以外は口も聞けないとかザラですからね。。

議会の閉会中は様々な場所に足を伸ばし、調査研究を進め、秋の定例会で都政の場からも政策提案をしていく所存です。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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