細胞を光らせる「バイオレーザー」とは

世の中にはいろんなことを考える出す人々がいるもので、表題の記事ではブタの細胞から「レーザー光」を発射させるという研究を紹介している。すでに、ヒトの細胞から同じようなことができているが、この研究ではブタの脂肪細胞を光らせたらしい。

レーザー光といっても、化合物半導体チップで作り出されるような強力なものではない。一般的な理解では、レーザー光はポインターに使われたり兵器になったりするようなものをイメージするが、光を増幅して発射できれば、可視光線でなくてもレーザー光となる。

この研究では、蛍光タンパク質の発光を鏡面上にした細胞で増幅し、あたかもレーザー光のように発射した。よく知られているように、遺伝子の発現を調べるために、発光クラゲなどの持つ蛍光タンパク質を指標に使うことが行われている。クラゲの蛍光タンパク質の研究では、ボストン大学の下村脩名誉教授が有名であり、彼は2008年のノーベル化学賞を受賞している。

蛍光タンパク質の光をレーザー光にするメリットは、細胞の様子がその光によって分析でき、健康状態や病気の有無などがわかるかもしれないところにある。これを「バイオレーザー(Biolaser)」というが、この記事で紹介されているものは脂肪細胞を光らせたところが興味深い。光る脂肪細胞がヒトに応用されれば、肥満やメタボ、脂質の燃焼メカニズムなどの研究が進むかもしれない。


ブタの皮膚の脂肪細胞がグラスファイバーの光刺激によってレーザー光を放った。Credit: Image courtesy of Matja&#381 Humar and Seok Hyun Yun

MIT Technoloty Review
Making Pig Fat into a Laser


Teens’ overall substance use declining, but marijuana use rising
EurekAlert!
米国ペンシルヴェニア州立大学の調査によれば、米国の10代の若者にマリファナの使用が増えている、ということがわかったらしい。飲酒や喫煙は減少傾向にあるが、特に10代の黒人でマリファナ使用が目立つようだ。ほかの調査では、米国人の富裕層、白人、女性で薬物使用が増えている、という報告もある。ちょっと気になる傾向だ。

1,500-Year-Old Quran Manuscript Could Be Oldest Known Copy
livescience
英国で、1500年前のコーランの写本が発見された、という記事だ。これは、英国のバーミンガム大学が保存していた羊皮紙に書かれたもの。この羊皮紙を科学的な年代測定法で調べたところ、AD568年から645年のものということがわかった。従来、この写本は20世紀のものと考えられていたが、実はイスラム教を作ったムハンマドが生きていた頃に書かれた可能性が高い。この写本によりムハンマドやコーランについての詳細な研究ができれば、ひょっとすると意外な新事実が出てくるかもしれない。

Siriで緊急電話がかけられるのは”隠しコマンド”ではなかった!Appleが修正
小龍茶館
AppleのiPhoneなどに入って居る「Siri」は、けっこう笑える答えをしてくれて楽しい。こちらの質問が陳腐だと、陳腐な回答しかしないところもなかなか凝っている。いかにSiriに珍妙なことを言わせるか、人間が知恵を絞る、というわけだ。この記事では「隠しコマンド」があったが、すでに消されて陳腐な回答しか得られない、と書いている。英語モードにすれば英会話の勉強にもなるが、これもまたあまり捻った質問が浮かばず、自分の発想の貧困さに打ちのめされたりする。

Here’s what a failed missile launch from a US Navy ship looks like
BUSINESS INSIDER
夏なので花火の季節だ。この記事では、米国海軍の地対空ミサイルが訓練中に至近距離で暴発し、あやうく発射した駆逐艦を撃沈するところだった、と報じている。ミサイルはRIM-66中距離ミサイルで対艦ミサイルとしても使用可能だ。海自の「こんごう級」と「あたご級」にも搭載されている。幸いけが人は出なかったようだが、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ザ・サリヴァンズ(USS The Sullivans)」の舷側に穴を開けたらしい。

7月18日、ヴァージニア沖で訓練中、ミサイルが暴発したミサイル駆逐艦「ザ・サリヴァンズ」。US Navy Photo obtained by USNI News


アゴラ編集部:石田 雅彦