最低賃金を払えない会社より、実際に働く人を守るべきという話

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

本日は午前中に子ども神輿のお手伝いをした後、「アゴラ夏休み特別セミナー2015」というイベントにパネラーとして参加するために神奈川県逗子へGo!


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「若い世代にとっての戦後70年」
宇佐美典也×海老沢由紀×新田哲史×おときた駿

というコーナーに登壇したのですが、そこでおなじみの宇佐美典也さんと興味深い話になったのでメモ。

(メインゲストの田原総一朗さん、主催の池田信夫さん、登壇者の海老沢由紀さんと)

私は常々、世代間や性差などの様々な格差を解消するためには

「雇用の流動化」

が一丁目一番地(最重要)であると主張しています。
年功序列・終身雇用・正社員という特権を排除していかなければ、若者や女性の立場はいつまで経っても改善されることはありません。

さて、この分野に関連して宇佐美典也さんは、流動性に加えて生産性を高めるためにも「最低賃金の引上げ」の必要性を説いています。

現在の最低賃金は企業にとっては恩恵を受けられるものであるが、労働者側から見れば割を食った設定になっていると、元経産官僚である彼は喝破します。

諸説ありますが、最低賃金を引き上げることはやり方次第で雇用の流動化の促進に寄与すると言われています。
賃金が上昇すれば、「最低賃金ギリギリでなければ維持できない」会社は淘汰されていきます。

そこで雇用されていた人々はマーケットに戻りますから、流動性が嫌でも増すわけです。
また、賃金があがることで、労働者・雇用者側の力が強くなることも予想されます。

ところが我が国では、最低賃金の上昇を訴える政党・政治家たちは同時に

「中小企業をつぶすな、零細企業を守れ!」
「安定した正社員という立場を守れ、解雇反対!」

という流動性と真逆な主張を繰り返しています。
この最低賃金の問題はプロパガンタ的に

「大企業が安い労働力を酷使して搾取している」

と思われがちで、そういう面もまったくの皆無とは言えませんが、これでもっとも恩恵を受けるのは中小企業・零細企業です。
少し考えればわかることですけど、

「最低賃金をあげろ」
「でも、中小企業をつぶすな。今ある雇用はそのまま守れ!」

を両立することは困難であり、やろうとすれば政府が中小企業に金をぶちこむしかなく、借金を重ねた上に「ゾンビ企業」が大量発生して生産性は低下します

これから労働人口が減少することが避けられない我が国では、生産性を高めることは生き残るための最低条件です。そのためには、最低賃金すら払えないゾンビ企業に退場いただき、新興産業に資源を集中させるしかありません。

雇用の流動性や生産性を高めるために、

「最低賃金をあげよう、そして払えない企業は淘汰していこう」

という真っ当な経済・産業政策を主張する政党・政治家がほとんどいないことが我が国の不幸であると言えるでしょう。

私のライフワークになりつつある、子どもの貧困≒親の貧困の問題でも、この最低賃金の問題にいつもぶち当たります。目先の生活に困る多くの人々より、最低賃金を払えない企業を守るこの国の構造は、やはり歪んでいるのではないでしょうか…。

ちなみに私は自由主義者・小さな政府論者ですので、最低賃金も設定しないでマーケットが機能するにこしたことはないのですが、現在の日本で突然それは現実的ではないので、この経済政策には一定の賛同をするものです。

さあ、夜はゲストの皆さまも含めた懇親会。
知の翁の知見をたっぷりと伺って参ります。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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