新入社員が失敗しないように先輩社員は配慮すべきか?

20150820outroad

新入社員に「菓子折り買ってきて」と言ったら駄菓子やスナック菓子を買ってきたそうで、その失敗をTogetterでまとめていたものがありました(会社の新人に『菓子折り』買って来てと頼んだらこういうの買ってきた→腹筋崩壊する人々)。ちょっとした炎上につながって、コメント欄やはてなブックマークも賑わいました。

私もはてなブックマークで下記のようなコメントを残しています。

できれば「菓子折りってなんですか?」って聞いてくれたらねぇ。新人かわいそうっていう声多いけど、菓子折り知らないっていう前提で普通22歳の社会人に依頼するかね?

そこそこスターももらっているので、共感している人も多いのだろうとは思いますが、それ以上に

  • 「新人に指示をしっかりしなかった上司が無能」
  • 「ネットで失敗を晒すのはどうかと思う」

といった声が上がっていました。

確かに失敗をTwitterでつぶやいて、Togetterでまとめるというのは「かわいい失敗だな」と思っていたとしても配慮不足という指摘はある意味正しいと私も思います。しかし新人に指示をしっかりしなかった上司が無能、という意見については首を傾げるところがあります。新人がこういった失敗をしないように上司は部下に配慮すべきなのでしょうか?その配慮はどこまで行うべきなのでしょうか?

もしここで部下に失敗しないように配慮するとした場合、何をどこで買ってくるようにと明確に指示を出すことになるでしょう。例えば「阪急うめだのデパ地下で虎屋の羊羹1500円セットを買ってきてくれ」といったようにです。これなら失敗はないでしょうが、一体上司・先輩はどこまで配慮すればいいのでしょうか?

例えばですが、菓子折りを知らないという人もいますが、分数ができない大学生やパソコンのワード・エクセルを使えない大学生、マウスの使い方もよくわからない若者もいます。こういった新入社員に対しても「こうやって使うんだよ」と操作や計算方法を教えるのが会社の上司として正しいのでしょうか?マニュアルを用意して、すべて新人にマニュアルや上司・先輩が1から10まで考えて、指示に従ってもらうようにすべきなのでしょうか?

別に上司や先輩社員が全部指示をする、ということは可能です。そうなればマニュアル対応をしてもらうことになりますので、定型業務を行う単純作業用社員ということになります。単純作業ですから当然給料も少ないでしょうし、代わりがきくので雇用も安定しないことになりかねません。結局その新人の人のためにならないでしょう。

またこれは教育をどこが請け負うか?ということの問題でもあります。菓子折りとはなにか?パソコン操作のやり方、ビジネスマナー等、どこで学ぶべきなのでしょうか。家庭か、学校か、会社か、どこで学ぶべきなのでしょうか。もし会社が行うべきというのであれば、手厚い研修のお金を掛けられる大企業ならいいでしょう。しかし中小企業はそのような研修のお金を掛けられません。

結果として中小企業に就職することで、研修でも大手に就職をした人に比べて差を付けられてしまうことになります。このような状況は多くのサラリーマン・ビジネスマンが望むべきことなのでしょうか?働く場所によって菓子折りについて知ることができる人と知ることができない人の差ができることを望んでいるのでしょうか。

指示をしてほしい、それは確かに役職なしで働いている人は思うかもしれません。しかし、指示をしすぎるということはまた会社のコストを上げることになり、かつそれが必ずしも社員のためにならな位と思います。どこかで落とし所をつけるという点では、菓子折りの説明・指示をはっきりとしないという点は悪くなかったのではないか?と私は思いますが、みなさんはいかがでしょうか。