「60歳までに1億円つくる術」という本を書いたのは、もう6年前になります。もしこの本の改訂版を作るとしたら、タイトルは「60歳までに毎月50万円をつくる術」にしようと思っています。
年齢と共にお金に対する不安は高まっていきます。リタイアして年金生活になれば、それまでに積み上げた資産を有効に使って生活することを考えなければいけません。その時、持っている資産を取り崩して生活費に充てるのではなく、自分の資産が生み出すインカムで生活費を賄うことができれば安心感は飛躍的に高まります。
「60歳までに1億円手に入れる」よりも「60歳から毎月50万円受け取る仕組みを作る」ことの方が、圧倒的に高い安心感を得られると思うのです。
いくら資産を持っていても、それが時間と共に減っていくのは気持ちの良いものではありません。卵を産むニワトリのように、あるいは泉から水が湧き出すように、生まれてきたものだけを使って生活することができれば安定したライフデザインができるようになるのです。
単純計算ですが、毎月50万円とすると、年間で600万円。5%の利回りとすると、1億2000万円あれば実現できることになります。金融資産では5%の利回りが実現できるようなインカム商品は国内には存在しませんから、不動産投資で考えるのが現実的です。しかし、そこまでの資産を積み上げられる人はそんなに多くはありません。
では、金利差に注目するとどうなるでしょうか。5%の利回りの賃貸物件を、借入金利2%で購入すれば、3%の金利差が得られます。もし、2億円の借入をしてそのような資産を手に入れることができれば、年間の賃貸収入が1000万円、金利の支払いが400万円ですから、600万円の収入となります。実際は元本の返済や税金など考慮しなければいけない点がありますから、簡単にはいきませんが、自己資金も考慮して現実的なプランを考えることは充分可能です。
このような借入によるレバレッジを使った不動産投資には大きなリスクがあります。充分な物件の吟味と返済計画をしっかり考えることが必須ではあります。しかし、リスクを取らなければリターンがないのも事実です。
「60歳から毎月50万円」をどうやって実現するか。簡単ではありませんが、将来の安心を手に入れたいと思ったら、今何をすべきか真剣に考え、行動に移さなければ結果は変わりません。
どうやれば、リスクをミニマイズしながら目標の実現に近づくことができるのか。自らの資産で実践し、個人投資家の皆さまにその方法をフィードバックしたいと思っています。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。