実名性と関係性がないとネット上の暴言の抑止力にはならない

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
「雑談ばっかり書くな!」とよく怒られますが、絶対に政策の方が書いてる文量も回数も多いのに、バズる・炎上する=皆さまがよく目にする記事が雑談ばかりなだけだと思います。悲しいっす。


さて、一昨日にヨタ話で書いた五輪関係の記事が案の定炎上したわけですが(苦笑)、

究極の「リア充の祭典」、オリンピックを快く思わない人々のルサンチマン【雑談】
http://otokitashun.com/blog/daily/8384/

最近ちょっと感じることがあるので備忘録的に。

匿名でコメントできる転載サイト「BLOGOS」のコメント欄は荒れることで有名でして、上記の記事転載も案の定大火災となっており、多くの執筆者はこころをへし折られてそのコメント欄をクローズしていることで有名です。

それはまあいつものことなので置いておくとして、興味深いのはBLOGOS公式アカウントがFacebookに投稿した記事のコメント欄

https://www.facebook.com/ld.blogos/posts/1194970797195691

これまで、ネットでの言説が過度に攻撃的になるのは、その「匿名性」に依るところが大きいというのが通説だったわけです。
しかしFacebookは御存知の通り、極めて実名性の高いSNSツールです。

本名はもちろん、職業や学歴、だいたいの住所まで登録されている方もいます。
さすがに匿名掲示板ほどでないにせよ、そういった方々が

「トチ狂ってる」「異常」
「下衆の勘繰り」「アホ」

なんていう、非常に攻撃的な単語を使ってこられるのです。
ココロガオレテシマイマス。

批判・批評の仕方にしてもマナーがないというか、

「いやいや、絶対にリアル(対面)ならそんな言い方しないですよね?」

という表現ばかりで、正直なところ、よくもまあ自分のプロフィールを晒しながらそんなことが書けるよなあ…とある意味感心さえしてしまうところです。

ただこうなる要因はいくつか考えられて、最大の理由は「顔が見えない」ことだと思います。

ここはあくまで「BLOGOS」というサイトのウォール(掲示板)であって、執筆者(=わたし)の存在そのものは極めて見えにくくなっています。

さすがに実名で人が人に対して(言葉で)殴りかかることには躊躇もあるでしょうが、「BLOGOS」というものが介在することで、その心理的障壁が下がるわけですね。

…まあ、本人はこんなところ見ちゃいないだろうというのもあるでしょうし、実際にタイムラインで絶妙なタイミングで拾わない限り、実際に見ることもないのですが。(なので、今回も偶然)

こうしたFacebookアカウントでの攻撃性を見るに、ネットの世界における「実名性」は、過度な攻撃や表現の抑止力にならないと言えるでしょう。

じゃあ何を持って抑止力になるのかというと、結局のところ「関係性」に行き着くと思います。

「あの人に見られるのでは」
「友人の友人を通じて、自分のことが伝わっているかも」
「実際に対面する機会があったらどうしよう!」

という人間関係・関係性が実名に加えられて初めて、人は自分の表現や行動に責任を感じてくるのではないかと。

考えてみれば当然といえば当然ですが、ネットというのは本当に面白いなと、ブログを11年やっていても日々新しい発見ばかりです。

政治家という職業自体、日本で最も石を投げられやすい職業の一つですし、私くらいはっきりと情報発信をしていれば基本的に批判の嵐には晒されますが、過敏に反応して心が折れない程度に民意を汲み取りつつ、精進を重ねていきたいと思います。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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