「下流老人」にならないために必要な3つのもの --- 内藤 忍

「下流老人」という本が売れているそうです。老後の貧困化は、一部の人だけの問題ではなく、誰にでも起こること。一部上場企業で部長を務めていたような人が、老後に貧困層に転落してしまうようなケースも珍しくありません(写真はネット上の画像から)。

本の中では貧困化の原因として、本人の病気や事故、パートナーの介護、子どもがワーキングプアや引きこもり、熟年離婚、認知症などいくつかの典型例を紹介しているようですが、リスクに対する早い段階からの備えをしていくことが重要であることを痛感します。

何よりも大切なことは「健康」です。家族全員が健康に暮らしていれば、生活を守ることはそれほど困難ではありません。若いうちから健康管理に気を付けて、体力を付けておくことが豊かな老後の大前提であることがわかります。

そして、次に重要なのが、「人とのつながり」です。家族だけではなく地域社会や趣味などでつながったネットワークがあれば、心の拠り所にもなりますし、問題や悩みを解決するための人脈や情報も手に入ります。孤立してしまうことは、精神的にも大きなストレスですし、世の中の動きから取り残されることになってしまいます。

その上で大切なことは「お金の知識」です。リタイアしたり、病気になって自分が働けなくなったら、お金に働いてもらう必要があります。そのためにはお金に関する基本的な知識が必須です。リスクとリターンの関係、資産の管理の方法、投資商品の取引方法、税金の基本知識、保険の活用法など、学校では教えてもらえないお金の知識を意識的にインプットする必要があります。

下流老人には仕事一筋で一生懸命頑張ってきたビジネスパーソンも多いと聞きます。自分が稼ぐことばかり考えるのではなく、お金がお金を生み出す仕組みを若いうちからしっかり構築していくことに、日本人はもっと労力を割くべきでしょう。早めの準備が、将来のリスクを軽減してくれることになるのです。

私の周りにいる人たちには、その具体的な方法を提供して、豊かなシニアライフをエンジョイして欲しいと思っています。お金の知識と、投資に踏み出す小さな勇気があれば、人生を変えていくことはそんなに難しいことではありません。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年9月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。