日本が戦勝国になる架空歴史ドラマとは

架空歴史もの、というのは小説や映画にとってかっこうの題材になる。パラレルワールドなどで、複数の結果を持った歴史が存在し、何かの拍子に主人公が別次元の世界へ飛ばされる、というアレだ。

日本のライトノベル周辺でも、架空戦記はかなり大きな影響力を占めている。とりわけ「if歴史」では、太平洋戦争で「もし日本が勝っていたら」というものが多い。ドイツで同じテーマのフィクションができたら、途端に違法だし、社会的にも批難されるだろう。なぜか日本では、同じ内容の作品が大量に出回っている。

SFマニアの支持を圧倒的に集める作家にフィリップ・K・ディックという人がいるが、リドリー・スコットが監督した映画『ブレードランナー(Blade Runner )』(1982年)の原作者としても一部で有名だ。ディックの作品に『高い城の男(The Man in the High Castle)』というのがあるが、これが架空歴史もの。

一種のパラレルワールドがテーマで、第二次世界大戦で枢軸側が勝った世界を描いている。そんな「不条理」な世界を「元に戻す」ために主人公らが「高い城の男」に会いに行く、というストーリーだ。小説の冒頭では、戦勝国の国民である日本人に憧れる白人の米国人が出てきたりする。日本人なら読んでいて少し尻のあたりがムズ痒くなる小説だ。

映画化は何度か企画されたようだが、さすがにナチが勝ったり、日本人が威張り散らしたりする内容で、実現しては頓挫、ということが繰り返されたらしい。『ブレードランナー』を撮ったリドリー・スコットが、テレビドラマ化をしようとしたが「諸般の事情」で実現できなかった。しかし、Amazonが金を出し、ようやく今年の初めにパイロット版が完成し、なかなかの高評価をえたようだ。アマゾンのプライムビデオサービスで近々公開予定だ。

BUISINESS INSIDER
Ridley Scott is about to show us a world where the Allies lost World War II


「日本の植民地支配」を懐かしむ人たち 南洋パラオの真実
矢来町ぐるり
小説『山月記』や『李陵』を書いた作家の中島敦は、戦時中、パラオへ行って現地で病になり、本土へ帰国してしばらくした後に気管支炎か何かで死んだ。この記事では、戦前戦中のパラオにおける日本と日本人の評判を紹介している。実際に行くとわかるんだが、現地の人は日本人に対して特別な親近感は抱いていない。特に他国人との違いを実感する場面には出くわさない。個人的に、は宿泊先のホテルにワニがいて、それはフィリピンから何百キロも海を泳いで渡ってきたことに驚いた記憶がある。

インターネットでの国勢調査で東京が異様に低い理由を推測してみる【判明しました】
More Access! More Fun!
人気ブロガーさんの記事なので、すでに読んでる人も多いだろう。ここでは単身者が多いから、という感じの結論を出しているんだが、それもあるがやはりアナログとデジタルの混在、というのが無理筋なのかもしれない。郵便物としてアナログ的に送られてきたものから、スマホなどでデジタルにアクセスするという行為自体がナンセンスだ。アナログの文字を読んで手入力なんて、もうとても技術的にできない世代が大半なんだろう。

NASA Confirms Evidence That Liquid Water Flows on Today’s Mars
NASA
火星に水があるかどうかは長い間、議論が続いてきた。この記事によれば「現在」の火星に液体の「水」がある証拠をNASAが見つけた、と書いている。火星は温度が高く低く引力も小さいので、地球のように水が大量にあるわけではない。ほとんどが蒸発して宇宙空間へ出てしまったが、その一部がどうにかこうにか、液体状になって存在しているらしい。しかし「水」と言ってもこれは「過塩素酸塩(perchlorate)」が混じった液体で、地球上では爆発物に使われる物質だ。融点が十数度、沸点が200度くらい。この性質のため、火星でも液体になっているらしい。

Particular brain connections linked to positive human traits
ScienceDaily
特定の脳が楽天的で前向きな人間形質につながっている、という記事なんだが、こういうことはあり得るのでは、と思う。ポジティブな人とネガティブな人がいて、それぞれの役わりをもって社会を構成している。もちろん、そのほかにも多種多様な形質を持った人が集まっているわけなんだが、一種類だけの形質しかなかったら人類はこんなにも進歩しなかっただろう。


アゴラ編集部:石田 雅彦