給料上がらないし副業でも始めるかと思った時に読む話 --- 城 繁幸

今週のメルマガの前半部の紹介です。

世の中には「銀座のママが語る出世する条件」とか「会社で出世するための〇つの習慣」みたいな本があふれています。意外と良い線ついているのもありますけど、どのセオリーにも抜けている(というかあえて触れていない)事実が一つだけあります。それは「日本型組織で40歳過ぎたらもうどんなに頑張っても出世は出来ない」ということです。

40歳までに最低でも課長以上に昇格できていない人間がいくら「こうう人材は出世できる」式の本を読んだってもう時間切れ。いつも言っているように、そこから先は長い長い飼い殺しのキャリア人生が65歳まで待っているというのが終身雇用・年功序列制度のルールです。

先述の「出世するセオリー」の識者たちは夢を売るビジネスモデルなのでそんな冷たい現実はおくびにも出しませんが、筆者はいい年こいて夢見るオッサンが嫌いなのではっきり言いましょう。もう40過ぎたら会社で出世なんて諦めなさい。

では、そういう出世の芽の無くなった人はどうすべきか。転職できる人はしてもいいですけど、筆者がよく言うアドバイスは「何でもいいからアフターファイブの趣味にやりがいの軸足を置け」というものです。※

あくまで仕事のやりがいが欲しいという人、やりがい=お金だという人は、本記事の言うように副業という選択肢もおススメですね。東大の柳川先生も勧めてらっしゃいますが、転職というハードルが高いという人にはまずは副業という形で新キャリアをスタートさせるのはとてもクレバーなやり方だと筆者も思います。

というわけで、今回はあえて出世と転職以外のキャリアデザインについてまとめてみたいと思います。

なぜ日本企業において副業はご法度だったのか

実は、趣味や自己啓発なら堂々とやってもOKですが、副業となるとあまり大っぴらに始められるものでもありません。というのも、ほとんどの日本企業において副業はタブーであり、明確に就業規則に副業禁止をうたっているケースがほとんどだからです(つまり副業が発覚すると解雇事由に相当として最悪クビになるリスクも)。

では、日本企業で副業がご法度だった理由とはなんでしょうか。それは日本型雇用の最大の武器を失うリスクがあったからです。日本型雇用最大の武器は、長期雇用というニンジンをぶら下げつつ、従業員全員に滅私奉公させられることです。

上位一割くらいのエリートが骨身を惜しまず働くのは珍しい話でもないですが、日本企業の場合、上位一割はもちろん下位一割まで全国転勤し有給返上で過労死するほど長時間残業してくれます。外資でも年収数千万のエリート金融マンくらいになると死ぬ人もいますけど、年収500万くらいの普通のサラリーマンが過労死するのは日本くらいです。

一方で、日本型雇用には弱点もあります。それは「上位一割のエリートに報いる報酬制度が無いこと」です。20年くらい頑張ったら同期よりちょっぴり出世できるかも?といったアバウトな報酬システムならありますけど、本当に20年後に報いてくれるという保証はどこにもないわけで、キャッシュでポンと高額年俸用意してくれる企業に比べると非常にこの辺りの引きは弱いものがあります。

実際、高額年俸に釣られて外資や新興企業に一本釣りされていく出世頭は珍しくありません。でもその分、エリートじゃない人材までエリートばりにバリバリ働かせることで、上手く帳尻が合っていたわけですね。

さて、そういう風土の日本企業にとって、一番困る人材というのは「出世とかいいから、ほどほどに仕事しとこう」と割り切るタイプだというのは明らかでしょう。出来るかどうかわからない出世なんぞに期待することなく、最初からほどほどに働かれては、最大の強みであるモーレツ社員風土が鈍ってしまうからです。

だからこそ、会社との割り切った関係を前提とする“副業”は、なかなか認められないわけです。

ついでに言うと、採用面接で「有給休暇の取得率や残業の多寡を聞くのはマズイ」という話の根っこにあるのも同じアングルですね。途中でモチベーションなくなった人間ならまだしも、最初っから割り切ろうとしている人材を採用するほど、少なくとも現在の日本企業は甘くはないということです。

※一人で酒飲んだり部屋でゲームしたりといったものではなく、横のつながりを持てるようなものが望ましい。

以降、
マイナンバー制度が引くトリガー
自分の中に“もう一つのやりがい”を作る意味

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Q:「子供を医学部に入れることについてどう思いますか?」

→A:「医学部卒で医者になってない人は複数知ってますが、後悔してる人は知りません」

Q:「一億総活躍ってどう思います?」

→A:「再チャレンジという言葉に新鮮味が無くなった結果です」

雇用ニュースの深層

じわり浸透してきた成績表チェック

採用担当者も何を指標とすべきかまだまだ手探り状態ですが、とりあえず脱ポテンシャルの流れは顕在化しつつあります。

グローバル大学と言えば忘れちゃいけないAPU

やはり学生の数が多いというのは採用する側からすると魅力的です。

東大京大、大学ランキングで北京に抜かれる

意外と気づいてない人多いですけど、フランスはトップ50に一校もランクインしていません。

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2015年10月7日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった城氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。