帰国して感じた日本人の海外リスク --- 松田 公太

帰宅してデジカメが無いことに気づきました。
空港バスの中でカバンから携帯を出した時に、いっしょに出して横の座席に置いたことを思い出しました。私の経験上、他国ならほぼ出てこないでしょう。


※自衛隊の海外活動が目立つほど高まりそうな日本人のリスク。写真はイラクでの活動時(出典・陸自公式サイト)
イラク陸自
しかし、ここは日本。若干の不安はあったものの、バス会社に連絡したらすぐに「ありました」とコールバックの電話が。やはり、日本は良い国だと再認識しました。

少し話しのレベルが変わりますが、今回はイスラム教徒の多い国に行っていました。何度も訪れたことがある国でしたが、私は生まれて初めて緊張感を持って入国し、ホテルから外出の時や移動の時は周囲に十分注意を払って過ごしました。

勿論、イスラム教徒イコール危険ではありません。むしろ、イスラム教は平和と善行の素晴らしい宗教です。 しかし、その人口が多いと、どうしても一定割合で過激派が潜むことになってしまいます。

先日、バングラデシュで日本人が射殺される事件がありました。

2日前にもトルコで自爆テロがあり、95人の一般市民が巻き添えになりました。これらの事件はまだ断定はできないものの、ISILを名乗るグループが犯行声明を出しています。実際、ISILはインドネシアやマレーシアにある 日本の公館に襲撃の指示を出しているような状況です。

以前、インドのムンバイでイスラム過激派によるホテルの襲撃事件があったとき(ちょうど、その襲撃されたホテルに私も事件の数日前に滞在していました)、テロリストたちは人質ひとり一人に出身国を聞き出し、 「アメリカ人」「イギリス人」と答えた場合は敵だと見なしてその場で射殺するという残酷な行為に出たことを思い出します。

ショーザフラッグで自衛隊が目立つようになればなるほど、そのような危険が増える可能性があることを我々はしっかりと認識しなければなりません。

閣僚や国会議員が外遊するときは警備に守られ、安全チェックが厳重に行われていますので、身の危険を感じることはないでしょうし、危険があること自体を忘れてしまうのかもしれません。しかし、一般国民は違います。

海外在住の日本人(129万人)や、旅行客(1690万人)。
その安全も踏まえて後方支援、集団的自衛権の行使には、非常に慎重でなければならないのです。

松田公太宣材


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2015年10月12日の記事「帰国して思ったこと」を転載させていただきました(見出しはアゴラ編集部で作成)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。