疑惑の「東京ブランド」ロゴ5億円の内訳を聞いてみた

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
海外視察中に発表された「東京ブランド」のロゴがそのデザイン、


そして制作費を巡って議論になっていたようで、ネット上では

「某ブロガー都議がネタにして終わりそう」

というコメントもお見かけしたのですが(笑)、周回遅れでようやく都庁にて説明を受けました。

登庁したら、デスクにはピンバッジが配布されてました。
また大量に配布されて、議員たちが地元にバラまくのだろうなあ…。

「&TOKYO」ロゴが物議――舛添都知事「記号だから著作権はない」は本当なのか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151019-00003831-bengocom-soci

著作権侵害疑惑については一定の決着をみたようですが、その制作費用と事業推進費用については引き続き物議を醸しだされています。

「東京ブランド」ロゴ、普及に5億円…都予算
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151014-OYT1T50083.html

「『ブランド』の普及自体にお金をかけてどうするんだ」
「高すぎる」
「いや、本気でやるなら5億は少なすぎる」

などの様々な意見が飛び交っているところですけど、まずは公表されている数字を見てみたいと思います。

【「東京ブランドの推進」事業】

東京ブランドのデザイン:1億3,365万
東京ブランドのグッズ作成:7,841万
発表までのブランドPR:8,193万
キャンペーンの実施等:2億1,176万

デザイン費は後述するので省略しまして、まずグッズ作成費の約8千万。
これはポスターやピンバッヂなどをどれだけの数量つくるかによりますので、その数量や点数次第ということになるでしょう。

「発表までのブランドPR」というのは、主に交通広告に既に使った費用のようです。
まあ、東京中に交通広告を展開すれば数千万単位になるので、金額としては妥当かな…と思います(用途の妥当性は置いといて)。

「キャンペーンの実施等」については、これから年度末(3月末)までに様々に仕掛けるキャンペーン費用とのこと。現時点では、ハロウィンに何かを展開するそうです。
その際に行う広告費用等もこちらに計上されている模様。

続いて、ブランドデザイン費用の内訳を見てみましょう。

ロゴ・キャッチコピーの制作:500万円
商標調査等:2,540万円
PRツールのデザイン経費:7.010万円
全体の監修・調整:1,200万円
管理費・消費税:2,115万円

ロゴ制作費の500万円は、大手価格としては妥当かなと思います。
(まあ、300万前後でやって欲しいところではありますけれど)

商標調査2,540万円は、国際的に展開するものなので、世界規模の調査を行うとこの金額になるのはやむを得ないとのこと。
うーん、そういうものなのか…。

「PRツールのデザイン経費」は、既に現存するポスター・バッヂの他に将来的につくるものも含まれているようなので、これから作る点数次第ですね。ちなみに…

「舛添知事出演PR映像」制作費もこちらの費用の中に含まれるそうな。
これは東京ブランドのPRではなく、彼の選挙PRなんj おっと、誰か来たようだ。

「全体の監修・調整」は、どこまで何をやるかによりますけれど、1,200万円という金額もあり得る範囲かなあ…。「管理費」は営業管理系なんだと思いますが、まずもって消費税と一緒に計上しているところがまったく納得できません(苦笑)。

とまあ、受けた説明をコメント付きで紹介しましたが、とにかくこれだけでは聞いても「判断できん」というのが正直なところです。

私もかつてはブランド会社に身をおいていたので、「ブランドをコンセプトからつくる」ということのコストは理解しているつもりです。

東京のブランディング戦略
https://www.gotokyo.org/jp/administration/h26/documents/tokyobranding_2.pdf

単にデザインするのではなく、こうした戦略を描くところから「プロ」の手を借りているのですから、一定の金額が生じなければむしろ怪しいくらいだと言えるでしょう。

ともあれ、現在出ている予算については、

「博報堂から実際にもらっている見積もりと、計画書を見せてください」

と担当局に依頼をしておきました。
何かゴニョゴニョと述べていらっしゃいましたが、

「予算執行に関わる部分なので、議員には調査権があるはずです!」

と伝えておいたので、もう少し詳しい情報が得られるのではないかと思います。
それによりもう少し詳しいことがわかれば、またできる範囲でお伝えするつもりです。

いずれにせよこういうので問題になるのは、繰り返しになりますが

「五輪を開催することへの納得感」

が国民・都民に足りないことに原因があるんだよなあ…と感じざる得ません。
透明性の高い情報公開の元、五輪への機運が高まるように微力ながら努力していきたいと思います。

現時点での見積もりについて、広告業界のプロの方からのご意見などありましたら、ぜひご指摘をお待ちしております。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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