任期満了により実施される大阪市長選挙(11月8日告示、22日投開票)は、橋下徹市長(大阪維新の会代表)の後継候補である吉村洋文前衆院議員と、自民党推薦で立候補する柳本顕市議との対立が一層際立ってきています。市長選をめぐる大阪維新と反維新勢力の対立は、5月に行われた大阪都構想の是非をめぐる住民投票と同様の構図になると見られ、今後の情勢が注目されています。
それでは注目選挙の前に、改めて大阪市長選挙のこれまでの流れをおさらいをしてみましょう。
2007年11月 平松市政にチェンジ
この年の市長選では、自民と公明は現職で2期目を目指す関淳一氏を推薦し、民主は新人で元アナウンサーの平松邦夫氏を推薦しました。与野党対決としても注目されましたが、平松氏が367,058票を獲得し当選しました。7月の参院選で民主党が圧勝した直後での選挙でした。
2011年11月 知事・市長ともに大阪維新へ
現職で2期目を目指す平松氏と、当時大阪府知事であった橋下徹氏の一騎打ちとなったこの選挙では、橋下氏の掲げる「大阪都構想」などが大きな争点となりました。平松氏は前回に引き続き民主から推薦を受け、さらに自民や共産からも支持や支援を受けての闘いとなりましたが、結果は橋下氏が750,813票を獲得し当選。実質的に橋下維新対反維新勢力の構図が展開された選挙となりました。
またW選挙となった大阪府知事選挙では、大阪維新の会の松井一郎氏が当選。同日選挙と維新効果により投票率が上昇し、市長選では40年ぶりに60%を超えるなど、2選挙とも大きな注目を浴びました。
2014年3月 「大義がない」選挙で橋下氏の独り勝ち
府知事から市長へ鞍替えした橋下氏は、「大阪都構想の是非」を市民に問うとして任期中に辞職し、出直し選挙に出ました。これに対し自民、民主、公明、共産とも「大義がない」として独自候補を擁立せず、橋下氏が377,472票を獲得して圧勝。しかし、投票率は前回から37.33ポイントも下がり、過去最低の23.59%となりました。
2015年11月 都構想の議論が再燃
「大阪都構想の是非」については、今年5月17日に住民投票が実施され、反対70万5585票、賛成69万4844票という僅差で否決され、橋下氏は市長任期を全うして政界引退すると表明していました。
その後、橋下氏は後継候補として吉村洋文氏を擁立。対する柳本顕氏には自民が推薦、民主、共産は支援を表明、公明は「検討中」という状態です。橋下、吉村両氏は大阪都構想の議論を続けるとしていますが、大阪市民の判断は果たしてどのような結果となるのでしょうか?
なお、大阪市長選挙には、元北区長の中川暢三氏も出馬を表明しています。
選挙ドットコム編集部
編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2015年10月21日の記事『自民・民主・共産が反大阪維新で大同団結!?過去の大阪市長選挙おさらい』を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。