11月28日の昼に「ギャンブル依存症対策推進フォーラム」というイベントに出演します。
内容は貴闘力氏の経験談から病理としてのギャンブル依存症の解説から様々なのですが,私はその中で「ギャンブル依存症対策を推進するには」と題したシンポジウムにファシリテーターとして出演し国会議員の皆様といろいろ議論させていただく予定です。
こうした活動に私が関わるようになったのは、依存症とは言わないまでも私自身が大学時代に一時期ギャンブル、というかパチンコ、にどっぷりハマって色々と回りにご迷惑をかけた経験があるからです。良く「ギャンブルに嵌るのは自分が悪い。自己責任だ。」ということが言われるのですが、それはそれで一理あるもののギャンブル依存症の問題はこの「周りに迷惑をかけた」という言葉に集約されると思っております。
ギャンブルに嵌った本人というのは借金を主として自分では抱えきれない責任を背負い込みがちで、その結果として家族などの関係者をも巻き込んで泥沼に引きずり込まれることに依存症の社会問題として性格があると思っていまして、その代表的な物が大王製紙の横領事件なりBenesseの個人情報流出なりといった事件だったのだと思います。
現在イベントを主催する「ギャンブル依存症問題を考える会」では
①ギャンブル依存症の予防教育
②ギャンブル事業者による依存症対策費の拠出
③行政の縦割りを越えた総合的なギャンブル対策の実現
を政府に要望する署名活動を展開しているのですが、当日はこうした点に関して議員の皆様のスタンスを伺えればと思っています。
特に③の「行政の縦割りを越えた総合的なギャンブル対策の実現」という点についてですが、法律上は「ギャンブル」ではなく「遊技」として扱われてきたパチンコに対して「ギャンブル依存症対策」という観点でどのような対策を講じるかという点はそろそろ明らかにしていきたいところです。やはりここから逃げてはギャンブル依存症対策の議論は深まりませんし、ましてや昨今議論されているカジノ導入なども難しいでしょう。
(筆者作成:レジャー白書データより)
私自身今はライトなパチンコユーザーですし、パチンコを全否定する気は全くないのですが、近年のパチンコの射幸性の向上はさすがに問題だと思っています。一つデータを上げますと、平成元年当時はパチンコの一人当たり年間消費額は100万円だったのですが、パチスロに関して規制が入った平成16年~19年の間を除いてこの20年ギャンブル性は向上し続け、一人当たり年間消費額は200~250万円と2倍以上になっています。
これはもう「遊技」と言えるレベルではなくなっていると感じておりまして、やはり「遊技」と「ギャンブル」の切り分けについて「ギャンブル依存症対策」という観点も含めてどのように考えるか、議員の皆様に改めてスタンスを確認したいと考えているところです。
そんなわけでお時間ある方は皆様是非会場にご参加くださいませ!
ではでは今回はこの辺で。
編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2015年11月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。