明日はいよいよ大阪市長・府知事選挙の投開票日。
選挙前になると街頭でもネット上でも「若者よ投票に行け」の掛け声が盛んに行われる。
とにかく投票に行くという行動にこだわって、役所の選挙管理委員会でも連日アナウンスカーが走るし、最近では大学生を中心にキャンペーンが行われたり、投票に行ってきたら飲食店・小売店で割引が受けられるサービスを展開したりする。否定はしないが投票率向上には限界がある行為だろう。
投票率の高低に影響を与えるのは政治の「中身」そのもの。つまり、どういう面子がどういう論点で議論しているのかがすべて。「中身」に勝る結果は出ないということをあらためて認識すべきである。
また、「投票に行け」論者が誤解しがちなのは、投票は「義務」ではなく「権利」だということである。
投票しないからだめというわけではない。投票したからえらいのでもない。
「あなたはあなたの権利をどのように行使するのか?」
来夏には18歳選挙権もスタートするのだから、若者1人1人が自らの権利と静かに、深く向き合う時間を持ってくださればと願う。
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筆者は大学生時代、「投票に行く」ことを敬遠していた時期がある。
理由はまず、立候補しているどの候補者もしょぼかったから。全員「金太郎飴」みたいなものでどれを選んでも大差は無いと思ったから。
それから、自分の考えを最大限政治に反映してくれそうな候補者がいなかったから。そんな中で10%、20%考えが重なる人を選んで当選させたところで結果は知れてると思ったから。
もしかしたら、これは決して少なくない有権者にとって妥当する現実かもしれない。
だけど、人間が人間である以上完璧な候補者なんていない。人間が多数いて社会を織り成す以上、必ずしも完全に自分の考えが世に通るはずなんてない。少し考えたら気がついた。
「完璧」や「完全」がそこにないから諦めてしまうのか?諦めれば残るのは無である。権利を行使すれば直ちに有とはいえないが、少なくとも有につながる可能性を手にすることができる。
シニカルに構えていても時間の無駄。同じ時間なら、その限られた権利を最大限効果的に使うにはどうしたらいいかを考えることに使おうと思うようになった。
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大阪で居酒屋に行っても喫茶店に行っても、明日のW選挙について老若男女の話す声が聞こえる時がある。インターネットを見ればTwitterでFacebookでW選に言及してる様が散見される。
日本は言論の自由が保障されているので、いつでもどこでも自由に主張ができる。
でも、言ってすっきりして終わっていたりはしないか?大学生時代の筆者はそうなりかけていた。自分の主張を前進させる1つの手段としての投票。
「ちょいちょい会話のネタで出してたけど、気づいたら投票日過ぎてたわw」で終わるのはもったいないなあと思う。
筆者なんか会話のネタにすら出せないんだよね。行政組織の職員は政治活動やオンライン・オフライン上での政治的主張を控えなければならないので。
本当はこの選挙そのものについてブログも書きたいし、住民ともいろいろと持論も述べて語り合いたい。
けど、それが適わぬ分、すべての思いは自分の一票に込める。
語らず、黙して一票ですべてを伝えきる。
これが私の今回の投票。あなたは今回の投票に、どんな思いを込めますか?
明日、11月22日、大阪市長・府知事選挙。
(大阪市選挙管理委員会HPはこちらから)
明日はお近くの投票所で午前7時から午後8時まで、投票できます!
期日前投票は今日午後8時まで!
■水谷翔太 大阪市天王寺区長
早稲田大学卒業後、NHK記者を経て、橋下大阪市長実施の公募に合格し、2012年に史上最年少で天王寺区長就任(当時27歳)。
公式ブログ「ありがとう!天王寺」