航空会社は空港ラウンジでも差別化戦略を取るべき --- 内藤 忍

アゴラ

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香港経由でシンガポールに到着しました。これから、マレーシア、シンガポール、香港、そしてスリランカと一気に視察をする予定です。

毎回、各国で様々な航空会社を利用するのですが、今回はキャセイパシフィックです。ワンワールド加盟の航空会社をなるべく使うようにしているので、たまたま選んだだけなのですが、羽田空港に1年前に出来たというラウンジ(写真)の素晴らしさに感動しました。

期待していなかったせいもあるのかもしれませんが、シックでセンスの良い内装で、食事も充実。ワンタン麺、和定食などの食事はオーダーを受けてから調理して、出来上がるとポケベルのようなアラームで席まで知らせてくれます。ドリンクはカウンターにバーテンダーの人がいて、こちらもセルフではなくフルサービスで。チーズやハムといったおつまみの味も良く、ちょっとした高級レストランに来た気分になれました。

残念ながら、羽田から香港、そしてシンガポールまで搭乗したフライトは、機内のサービスも丁寧ではあったものの、素晴らしいとは言えないものでした。機体が古く(羽田-香港は747ジャンボでした)、インフラに限界があるから仕方無いのかもしれません。でも、羽田のラウンジの印象が強烈で、あまり気にならないから不思議です。

日本の航空会社の方が、機内の食事やサービスは明らかに優れています。また、機体も新しく、設備も清潔で気持ち良く利用できます。しかし、羽田にあるラウンジは、今回利用したものに比べると、かなり見劣りします。

飛行機を使った旅行にとって、ラウンジというのは「おまけ」のようなもので、飽くまで安全で快適なフライトを提供するのが第一の目的なのはわかります。しかし、搭乗前に時間を過ごす場所として、コストの割に評価をあげることがしやすいのがラウンジではないかと思います。

羽田のキャセイのラウンジのオペレーションはホテルオークラが委託されているようです。ノウハウを持たず、ホテルビジネスから撤退した航空会社は、ラウンジの運営も自前にこだわらず、専門スキルを持ったホテルチェーンに任せた方が、費用対効果の大きな「差別化戦略」になると思いました。

(下の写真は香港空港のシンメトリックで美しいコンコース)


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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年11月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。