香港の海外口座をロックされた人が、すぐやるべきこと --- 内藤 忍

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香港からスリランカに移動する間の時間を利用して、以前に口座開設したHSBC(香港上海銀行)の支店に立ち寄りました。今回はペニンシュラホテルの裏にあるカオルーン支店。こちらのお店は担当者が皆親切で、比較的空いていることもあり、おススメです。

個室に案内されて、まずは口座情報のアップデート。住所やEメールなどの登録情報をチェックして、変更があれば修正してもらう。自分でWebにログインできれば、日本でもできますが、ログインの方法も今回セットアップしてもらい、セキュリティデバイスと呼ばれる端末を日本に送ってもらう手配も終わりました。

更に、最低百万香港ドル(約1700万円)の残高維持が必要なプレミアから、その次のランクのアドバンスに一時的にステイタスを切り替えました。プレミアの残高が維持できないと、口座維持手数料が毎月6000円くらい取られてしまうことがわかったからです。

海外口座を持とうと考え、香港に出かけ、既にHSBCに口座開設している日本人は数万人と言われています。しかし、そのほとんどは銀行口座を開設してから、その後何もせず、中にはアカウントロックをかけられてしまい、身動きが取れないケースもあるようです。

そんな人には、私のように早めに香港にもう一度出かけて、手続をすることをお薦めします。

日本からメールや電話をかけても、英語で交渉して、手続を的確に指示できる人はあまりいないと思います。そもそも口座の仕組みが日本の銀行とは大きく違いますから正確に理解出来ている人はほとんどいないのです。何もできず日本国内でイライラしている位なら、観光を兼ねて現地に行って、ホテルの近くの支店に出向き、対面で手続を依頼すれば問題は一気に解決します。

そもそも海外の銀行口座を作る前に考えるべきなのは、何のために口座開設するのかという目的の明確化です。私の場合は、海外送金を国内の銀行でやるよりも手間も時間も節約できると思い、口座開設しました。海外不動産の送金手続きなどに威力を発揮します。

「預金封鎖」「国家破綻」といった不気味な言葉に煽られて、国内の銀行口座に不安を感じて海外に「キャピタルフライト」したり、海外の金融商品の購入のために口座開設という人が多いと思います。しかし、口座がロックされて使えなくなってしまったら、自分で「1人預金封鎖」しているようなものです。また、海外の金融商品についても、本当に国内では見つからない優れた商品なのかどうかは、手数料を含め慎重に比較するべきです。

個人的な推測ですが、使いこなせない海外口座を持ち続けるより、解約した方が良いと思われる方が圧倒的ではないでしょうか。国内、海外にかかわらず、手間とコストの割にメリットが無い口座は、持っていても意味はありません。


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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年11月27日の記事を転載させていただきました(アゴラ編集部で改題)。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。