【PR】廣瀬俊朗は世界のラグビーに勝つために「書く」

アゴラ編集部

言論プラットフォーム「アゴラ」と世界的筆記具ブランド「モンブラン」とのコラボレーションでお送りするブランドジャーナル「NO WRITING NO LIFE」。第9弾は、ラグビーW杯イングランド大会日本代表の廣瀬俊朗さん(東芝)です。大会前にキャプテンを外され控えに回る試練に直面しながらも、選手たちのモチベーションをアップするビデオを制作するなど持ち前のリーダーシップを発揮。歴史的快進撃を裏方で支えた姿がラグビーファンの感動を呼びました。

このほど発売した初の著書『なんのために勝つのか。』(東洋館出版社)はライターを起用せずに自身で執筆。「書く」ことへの並々ならぬこだわりがあるそうです。今年、日本中に歓喜と感動をもたらした代表チームのエピソードも絡めながら、率直に語っていただきました。(取材・構成はアゴラ編集部)
(※この企画はモンブランの提供でお送りするスポンサード連載です。)
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プロフィール
廣瀬 俊朗(ひろせ・としあき)

1981年10月17日、大阪府生まれ。5歳のときにラグビーを始め、北野高校を経て慶應大学に進学。99年度U19日本代表、高校日本代表に選出される。2004年、東芝入社。2年目からレギュラーとして活躍。07年主将就任(07 – 11年度)。08 – 09、09 – 10 シーズンではトップリーグプレーオフ優勝を果たす。09年のプレーオフはMVPも獲得 。07年日本代表入り。12年にはキャプテンとして再び選出される。15年ラグビーW杯では、日本代表史上初の同一大会3勝に貢献。通算キャップ28。ポジションはSO、WTB。

辛い経験の中で新しい自分に出会えた


――2012年からラグビー日本代表のキャプテンとして2年間活躍されましたが、14年にキャプテンを外された出来事は、廣瀬さんにとってつらい経験だったと思います
キャプテンというポジションが、自分にとって一番のモチベーションだったので、正直かなりつらかったです。そんなときにひとりの先輩が「2年間お疲れさま」って言ってくださったのです。「認めてもらえたのだな」と思ったら、楽になって、またがんばろうと新たな力がわいてきました。新しいキャプテンのマイケル・リーチをサポートする側に回り、僕自身が日本代表として、ワールドカップの試合に出ることはできませんでしたが、このチームでなにかできることを探して、ピュアな気持ちで「このチームに出会えてよかったな」というところまで行けました。新しい自分に出会えたような感覚がありましたし、「こういう立場もいいものだな」とようやく思えるようになってきました。
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——五郎丸選手の「ルーティン」が話題になりましたが、平常心を保つ上でメンタルの重要性が注目されました
メンタルコーチに言葉にすることの大切さを指導されていました。ラグビーはコンタクトが激しくて苦しいスポーツ。でも、チームのためにという思いがあるからこそできるのです。その意味では、言葉がとても大事で、「なんのために勝つのか」「このチームのために」という大義があれば、見ている人に訴えるものがあります。今回の大会はすごく良い結果を出せましたが、たとえ負けていたとしても日本のラグビーファンには「勇気をもらえた」とか「明日がんばろう」とか思ってもらえたのではないでしょうか。そこがスポーツの一番の価値だと思います。

本を書く前のほうが大変だった理由


――初の著書『なんのために勝つのか。』が発売されたばかりですが、執筆中に苦労されたことはありましたか?
じつはあまり「苦労した」という記憶がないんです。書くこと自体はもともと好きですし、書いているという行為自体がすごく気持ちよくて。執筆はとても楽しい体験でした。書くことで頭のなかも整理され、脳も活性化していたんじゃないかな、とも思います。もしかしたら、大変だったのは本を書く前のほうだったかもしれませんね。書きたいテーマに対して「本質がなんなのか」というのを自分のなかで探り、見極めるために、執筆までの一年間「本質を見極めようノート」のようなものをつくり、そこに書きためていました。
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手書きで思考を整理し、イメージで捉える


――原稿を書く前の段階で、手書きのメモを取ったりはされていましたか?
ミーティングノートをいつも持ち歩いていたので、そこになんでもメモしていました。コーチから提案されたことなどを書き留めるためのノートなのですが、自分が本で書きたいことなども、思いついたらすぐそこにメモすることもありました。あとは思考がまとまる前の段階で、考えていることを図にしてみるという、“文章にするための下準備”のような作業もしていました。

「このキーワードとこのキーワードの上下関係はどうなのだろうか?」
「それらは並列なのか?」
「このキーワードはメインではなく、ひょっとしてサブではないのか?」

……といったようなことを図にして、思考を整理していくのです。目で見て、イメージとして捉える作業というか。それはやっぱり、パソコンではなかなかできないですよね。頭に浮かんだらすぐに紙に、パッと手で書いたほうが楽ですし、忘れることもないです。

――そういったノートのほかに、必ず手書きしているものがあれば教えていただけますか
気持ちを伝えるのに一番いいのは手書きだと思うので、お礼状や親しい人へのお手紙は、なるべく手書きしています。やっぱり手書きはあたたかいというか、その人らしさや自分らしさといった、人間味がすごく出ると思っています。僕は美術館行くのが好きなのですが、ミュージアムショップで気に入った便箋があると買って、知り合いの方などにお手紙やお礼状を書くときに使っています。実際、自分が手書きの文章をいただいても、とてもうれしいですからね。先日、大好きなワインをいただいたとき、手書きのお手紙が添えられていて、それがすごくすてきな手紙だったのです。もちろん、その方には葉書でお返事を書きました。たまにですが、合宿行くときなどに妻に書き置きすることもあります。ちょっとした感謝の気持ちを記した内容ですが。
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日本ラグビーの未来のために「書く」


――ラグビーの世界でさまざまな挑戦をされてきましたが、次はどんなことに挑戦されますか
実は新たにラグビーに関する別の本も作ってみたいと考えています。今度は自分ではなく、みんなの本を作ろうとしていて、31人の選手が登場する本です。大人はもちろん子どもたちも含めて、みんなが純粋に「ラグビーっていいな」と感じてもらえるような本にしたいですね。きっと、将来の日本のラグビーにも役立てるのではと思っています。いろいろな構想が浮かんでいるので、手書きのノートやメモがまたたくさん増えそうな気配です(笑)。

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取材を締めくくるにあたり、廣瀬さんに、世界的プロダクトデザイナーのマーク・ニューソン氏がデザインした「モンブランM」の万年筆を使ってもらい、「あなたにとって書くこととは何か?」を綴ってもらいました。(各写真をクリックすると「モンブランM」の公式ページをご覧になれます)

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