CSR、フードマイレージ、ボランティア・・・
もっともらしい言葉を並べられても、いまひとつしっくりきません。
そうしたときに、立ち返りたいのが日本で古くから使われる「大和言葉」です。
●例えば、「もったいない」
環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんが「もったいない」に感銘を受けたことで一躍有名に。
「もったいない」は、Reduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)という環境活動の3Rをたった一言で表せるだけでなく、かけがえのない地球資源に対するrespect(感謝の念)が込められています。
●次に、「いただきます」
いただきますは、まさに「あなたの命をいただきます」ということ。
流通の発達に伴い、生産と消費が分断された現代社会。毎食、「いただきます」と手を合わせることで、命や生産者への感謝が生まれてきます。生産と消費の分断をつなぐ言葉です。
●そして、「ご馳走さま」
「ご馳走さま」は、駆けて、走って、一生懸命に調達した食材で、もてなしてくれた主人への感謝の言葉。食に関しては、フードマイレージや地産地消という言葉もよく使われますが、「ご馳走さま」の方が言葉に広がりがあり、そして感謝の気持ちを伝えていないでしょうか。
●最後に、「お互いさま」
ボランティアというと、どうも肩に力が入ったり、ボランティアをする方が受け手に対して一方的に何かを与えている印象がありますが、「お互いさま」は、自然の動きの中ですし、相手との上下関係もありません。しかも、相手への感謝の気持ちも含まれています。
このように、短い言葉の中にも、物事の「本質」や、他者や自然への「感謝」が込められている大和言葉。大和言葉をもう一度噛みしめることが、日本を救うのでしょうか。
<井上貴至(長島町副町長(地方創生担当)プロフィール>
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68458684.html
編集部より:この記事は、鹿児島県長島町副町長、井上貴至氏のブログ 2016年1月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。