平成27年度補正予算が20日に成立する見込みだ。その中には、自治体の人口減少対策を後押しする総額1,000億円規模の「地方創生加速化交付金」も含まれる。
<地方創生加速化交付金>
●一市町村あたり最大8,000万円
●ソフト事業が中心で、ハード事業についてはソフトと密接不可分なのものについて原則として全体の50%以内ならば可
というもので、交付を希望する自治体は、2月上旬までに国に申請しなければならない。
地方創生加速化交付金は従来の補助金と比べて市町村の創意工夫が発揮しやすく、非常に使い勝手がいいものだが、市町村の担当者からは、「時間が足りない(から、やめよう)(から、どうせうまく活用できない)」という声を聞くことも少なくない。
担当者がそう言いたい気持ちはよく分かるが、それでは何も始まらない。むしろこれまでの「準備」が問われているのではないか。長島大陸では常日頃から町の皆様と様々な形で意見交換を重ねているので、例えば子育て支援などやりたいことを実現する大きなチャンスだと捉えている。
それに関連して、私も取り上げていただいたNHKのクローズアップ現代(1月13日(水)小さな島の大きな決断)の中で、コミュニティーデザイナーの山崎亮さんが面白いことを言われていた。
(地方版総合戦略について)確かに1年間で作りなさいと言われてしまうと、住民参加で進めるという時間がないように思われるかもしれません。 もし、この10年、5年の間住民と対話をきっちりとしてきた自治体であれば、逆に言うと充実した中身をすぐに提案する事ができる。
ひょっとしたら、国に時間が足りないんじゃないかと文句を言うよりも、自治体自体が町民ときっちり対話をしてきたかどうか、ここが問われてるのかもしれない。
人気アニメ「さくら大戦」のテーマ曲を作曲した田中公平さんが飲みながら、語られていた。
「さくら大戦は、世間では30分で作曲したと言われるが、私は30分+30年だと思っている。30年の積み重ねがあったからこそ30分で作曲できた。」
地域づくりも同じようなものだと思う。
だから、「時間が足りない」ということは言いたくない。自戒も込めて。
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編集部より:この記事は、鹿児島県長島町副町長、井上貴至氏のブログ 2016年1月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。