本が好きな人というのは、他人が読んでいる本にも関心を抱くことが多い。
何を隠そう、私もその一人だ。
だいたい、どんな本を読んでいるかで、相手の知的水準から、趣味、思想傾向、興味関心までわかってしまう。陰謀論が好きな人であれば、陰謀論を集中的に読んでいるだろうし、好きな著者名を聞けば、だいたい、その人の思想傾向がわかる。
ああ、この本が好きなら、きっとこういう本も好きだろうな、とか、興味が尽きないわけだ。
人は見た目が9割とかいうが、見た目は案外あてにならない。いい人そうな悪人もいるだろうし、悪人のように見える善人もいるだろう。見た目で騙されがちだが、余り見た目で判断するのは賢明ではない。どんな本を読んでいるのかで、その人を評価した方が、正確に評価できるように思う。
逆に言えば、自分の読んでいる本をこれだと言ってしまうことは、手の内を明かしているといってもよいだろう。この分野に関心があり、この人物に傾倒している、というのがわかれば、その人が何を考えているかがわかるからだ。
私自身も大量に本を購入する一人だが、自分で買った本を見返してみると、本当に自分が考えていること、興味関心のあり方が赤裸々に表現されていることに気づく。
小説や文学の類でも、その人が好きな作家を聞けば、何となく、趣味もわかってくる。 だから、人物を鑑定するには、その人の読んでいる本を見ればいい。
今回のメルマガでは、今年に入ってから、買ったり、読んだり、読み返したりした本を列挙してみた。かなりの数の本を挙げることになった。まことに面白いことに、これが、そのまま、自分の興味関心を示していて、書きながら、自分自身の思想の整理にもなった。
リベラル・デモクラシーが自明視された「歴史の終わり」。果たして、「歴史」は終わるのか?どうやら、終わりそうにない。新しく到来することになるのは「乱世」だろう、というのが、私の結論になりつつある。詳しくは講演会でお話します!講演会の予習というか、参考資料は、ほとんど、メルマガで列挙した本です。どうぞご覧ください。
【講演会のお知らせ】
演題「世界の動向~2016年を読む~」
講師 岩田温
冷戦終結後、どのような世界秩序になるのか、今日に至るまで模索状況が続いてきましたが、どうやら、結論は「乱世」となりそうです。迫りくる「乱世」を生き延びるために、日本はどう動くべきか。
・イスラム原理主義を信奉するIS(イスラム国)と諸個人の自由を尊重する自由社会は如何に向き合うべきなのか。
・シーア派とスンニ派の争いはどうなるのか?
・イスラエルはどのように動くのか?
・中国は崩壊するのか?
様々な国際情勢を単なる情報の分析ではなく、政治思想、宗教といった根源的な部分から掘り下げて考察してみたいと思います。
詳細を担当者から返信させて頂きますので、お申し込みはこちらよりお願い申し上げます。
会費は各会場3000円です。
2月 6日 大阪会場 18時15分より(梅田付近を予定。お申込みいただいた方に詳細を返信いたします)
2月13日 名古屋会場 午後3時~午後5時(名古屋駅周辺を予定。お申込みいただいた方に詳細を返信いたします)
2月27日 東京会場 午後4時~午後6時(東京駅周辺。お申込みいただいた方に詳細を返信いたします)
編集部より:この記事は政治学者・岩田温氏のブログ「岩田温の備忘録」2016年1月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は岩田温の備忘録をご覧ください。