暴言の不動産王で知られるドナルド・トランプ候補、2月1日にアイオワ州で開催される党員集会前にも関わらず、じわりリードを広げています。
トランプ候補の支持率は34.5%から34.8%へ上昇。2位クルーズ候補は逆に19.3%から18.8%へ低下。
(出所:Real Clear Politics)
サラ・ペイリン元米副大統領候補が19日に支持を表明するなど、ある意味で追い風が吹き付ける状況です。しかしペイリン元アラスカ州知事、あらためて米副大統領候補の座を照準に収めたのでしょうか?支持表明の前日、長男のトラック・ペイリンがガールフレンドに暴力を振るった容疑で逮捕されたばかりだというのに表舞台に立つ勇気は、さすがです。息子の不祥事すら「オバマのせい」にしてしまう荒技は、人間の理解力における限界すら感じさせられます。
トランプ候補、直近ではクルーズ候補のカナダ出身ネタを攻撃し支持基盤を固めつつありますが、ここに来て秘密兵器を披露しました。
それこそ・・フリーダム・キッズです!
星条旗ファッションをまとい愛国心をアピールする少女たちが、元気いっぱいにトランプ候補のテーマソングを歌います!愛らしいですね~。注目の歌詞は、こちら。
孫を持つ年齢らしき女性は、後半ノリノリでした。
(出所:Youtube)
Cowardice
臆病者ね
Are you serious?
冗談でしょ?
Apologies for freedom, I can’t handle this.
自由に謝りなさいよ、やってられないわ
When freedom rings, answer the call!
自由のベルが鳴ったら、答えて!
On your feet, stand up tall!
自分の足で、胸を張って立つの!
Freedom’s on our shoulders, USA!
自由はあなたの責務なのよ、USA!
Enemies of freedom face the music, c’mon boys, take them down
自由の敵がこの歌を聴いたら、さあ少年達、やってしまいなさい
President Donald Trump knows how to make America great
ドナルド・トランプ大統領はアメリカを偉大にする方法を知ってるの
Deal from strength or get crushed every time
力で立ち向かわないのなら、叩きのめされればいいわ
タイトルはズバリ、「フリーダム・コール」。単純な歌詞で、誰でも口ずさめそうですね。もちろん、トランプ候補のスローガン「Make America Great Again」も差し込まれてます。一度聴くとなかなか耳から離れないこちら、ぜひビデオをご覧下さい。
フリーダム・キッズが参戦した”トランプ・ラリー”はフロリダ州ペンサコーラにあるスタジアムで13日に開催され、1万人が集ったとか。少女達の歌とダンスに孫を持つ年齢らしい女性が一人、大盛り上がりだったのが印象的でした。
今回は3人のみの出演でしたが、もとは5人なんですって。ウェブサイトには「9月11日、アメリカは挫折を味わった。しかしパットン将軍が発言したように、真のアメリカ人は皆、勝者を愛する。その理念を基に、USAフリーダム・キッズが誕生した(September 11th is a day America faced a setback. But as General George S. Patton said … All real Americans love a winner. With that, the USA Freedom Kids are born …)」と大義名分を謳います。ちなみにパットン将軍といえば軍人として名を馳せただけでなく、非ナチス化の政策を採用せずナチスそのものを米国での民主党や共和党になぞらえ批判を浴びた人物ですね。
ゴリゴリの保守派による少女を使ったプロパガンダなだけあって、トランプ候補が「フリーダム・キッズ」に目を付けるはずです。胡散臭さが全開で「北朝鮮っぽい」との声が聞かれるのも、納得・・。
(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年1月21日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。