暴落は二度来る しかし二度目の終わりはいつか?

アゴラの読者も書き手もみなSMAPに夢中になっているのに驚いたが、私はSMAPの専門家ではないので、株式市場について書くことにしよう。

セリングクライマックスはなかったが、反発した。

まず欧州がECBドラギ総裁の3月の追加緩和示唆で反発し、米国は、原油在庫が予想を大きく上回って減少し、反発した。

何と言ってもNYで原油が4%高、この三ヶ月で最大の上昇となったことが大きい。

ただ、水準が下がっているので4%上昇と言っても高々1ドル戻しただけで依然29ドル台で30ドルを割ったまま。反発は一種の反転を想起させるが、それは、大きく下げるかと思われたところへの上昇なので、センチメントに対しては、大きく安堵させる効果はあっただろう。

さらに、ドラギはいつものリップサービスで、リップサービスと分かっていながら、いまはどんな材料にもすがりたい、ということで、これに飛びつき、買い戻しの流れとなったが、3月にはまた失望することは見えているし、そのシナリオで下がるだろう。

銀行の融資ロールオーバーが難しくなるのが3月末と言われており、3月末は鬼門だ。

さて、今後の流れであるが、特に日経平均は、昨日の16時半以降の夜間相場における悪戯が酷すぎた。16時半から急落で15800円割れ、そして一気に回復16200円へ。その後も、乱高下し、米国の反発を受けて16400水準へ上昇。乱高下はインチキだが、米国を受けての回復は嘘でも良いから信じたい、というのが悪戯をされている側の投資家の心理だろう。したがって、今日は前日比(日中の終値16000丁度)では大きく反発するだろう。

その後は、個人的なカンに過ぎないが、乱高下しつつも上昇していき、大幅高で終わるのではないか。

もし、そういうシナリオなら、個人的には週末持ち越しは避けて、買い戻したなら売り切ってデイトレに徹したい。夜間、米国が開くまで一段の上昇はあるかもしれないが、そこをがめつくいくとしても、NY取引開始前にポジションは落としたい。もちろん週末月曜日さらなるギャップアップもあり得るが、それはせいぜい五分五分。今日の上昇の方が確率が高いデイトレだと思う。まあ、個人的なカンに過ぎないが。

もう少し長いスパンで見ると、ここで一連の下げが終了し、戻っていく、乱高下をしながら戻っていくという可能性もある。もしそういうしなりおになったとしたら、ある程度まで上がったらポジションを落とすチャンスだと個人的には考える。もし、セリングクライマックスのないまま、反発した場合には3月後半からの下げに備えて、2月中、遅くとも3月上旬までにはポジションを整理しておきたい。

ただ、そういうチャンスがあるかどうか。

暴落は二度来る、というセオリーからいったときに、8月とこの1月が1回、2回なのか、それとも、2回目の下落のこれは前半に過ぎないのか。そこの見極めが難しい。

ポイントは、今回の下落がパニック売りを伴っていないことで、淡々と直線的に下がってきている。これは、仕掛けても誰も反応しない、仕掛け側の自作自演の割合が高すぎて、売り仕掛けではそれほど儲けられず、盛り上がらない、だから、このままあっさりと仕掛け側が手じまう、という解釈が1つ。

もうひとつの解釈は、仕掛けももちろんあるが、それは脇役で、200ドルの下げを400ドルにしているのは仕掛けであるが、200ドルの下げは実需の下げで、回が全くないので、少しずつ売っても200ドル下がってしまうという解釈で、オイルマネーが売り、ジャンク債で行き詰まったファンドが売り、資源関連通貨、関連株でやられた投資家が売れば、彼らが静かに売ったとしても下がってしまう、という解釈だ。

このような静かな暴落継続は、恐怖感を伴う。なぜなら、本当の売りだからだ。

個人的には、こちらのシナリオだと考えてはいるし、多くの黙っているマーケット筋は、これを恐れているが、しかし、以外と前者の面、つまり、静かな下落に対応した、派手な、しかし下手な仕掛けの部分も多いと思っている。要は、下落の大きさに比して、マーケットは静かすぎるのだ。

これが、恐怖に凍り付いた市場を表しているのか、リーマンショック以後、上場株投資などばかばかしてまともな投資家はやらなくなったからなのか、どちらかなのだが、真実は両方であると考える。

上場株市場というのは大分前に終わっていたのだ。