2月11日は「建国をしのび、国を愛する心を養う」日。
明治時代に紀元節(神武天皇が即位した日)を「建国記念日」として祝日にしましたが、戦後はGHQによって廃止されました。その後、1967年に再度「建国記念の日」として定められたのです(「の」がポイントです)。
以前も触れましたが、日本が建国された日を知っている日本人は2、3割しかいないそうです(日本青年会議所調べ)。特に若ければ若いほど知らない。それに対し、米国人や中国人は9割以上が答えられるとのこと。
では日本のことを「好きか嫌いか」で聞くと、大体どのアンケート調査でも殆どの人が「好き」と答える(また、文科省所管の国民性調査によると日本人の83%が「生まれ変わるなら、もう一度日本に」と答えたそうで、特に若い方がその傾向が強いそうです)。
この結果を招いている理由の一つは勿論「教育」です。日本の学校では自国の歴史に正面から向き合って、しっかりと伝えるべきことを伝える、話し合うべきところを話し合うことが出来ていない証左だと思います。
そしてもう一つは、最近の若者の傾向として(あまりこの表現は好きではないのですが)
「好き」が軽くなってきているような気がします。本来は「好き」という言葉に辿り着くまで、もっと深堀して「知る」ことや、他との「比較」があってしかるべきなのですが、それが情報過多の世の中で薄くなってきているような気がします。
本来ならばネットの発展によって、情報を多く集めてリテラシーを高めることができるはずですが、逆にあまりにも多くの情報と接する機会が増えた為に、表面的な部分で止まってしまう人たちが増加しているのです。
例えば「新しいバンドの○○って好き?」と聞くと「好き!」と答えるのですが、「どの曲が好き?」と聞くと1曲か2曲しか知らないことが多い。つまり、ネットで流行っていたり、TVCFで聞いたりして、1曲だけダウンロードした。しかし、アルバムに入っている他の9曲は聞いたことが無いし、聞こうとも思っていない。バンドメンバーのことも知らないし、どういう経緯で結成されたかも知らない・・・という傾向が強まっているのです。ネットで読まれているニュースも、見出しのような「数行」ものが圧倒的に増えてきています。
話しが膨らんでしまいましたが、「日本を好き」というのは勿論良いことですし、その裏には「ご飯が美味しい」「安全だ」などの生活に関する感覚がベースとなっているのでしょう。しかし、「好き」というのならば、もう少し深堀をする癖をつけなくてはなりません。少なくとも2月11日は何の日なのか?そして何故、日本の「誕生日」とされているのかぐらいは知って頂きたいと思います。
「日本は大好きで、またこの国に生まれたいけど、建国記念日は知りません!」
と言われるのは、
「○○さんが大好きなので、生まれ変わってもまた一緒になりたい!でも、誕生日は知りません!(キリッ」
と言われることと似たような違和感を覚えてしまいます(笑)
編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2016年2月11日の記事を転載させていただきました(画像はアゴラ編集部)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。