「選挙をもっとオモシロク!」をテーマに掲げてひた走ってきた選挙ドットコム。オープンから半年、記事数も増え、Webサイトも少しずつバージョンアップし、着実な成長を遂げてきたものの、まだまだ目標地点には届いているとは言えません。
「このままでは駄目だ!」
その想いから、選挙ドットコム編集部は、「面白い」を極めながら政治への発信を続けるプロフェッショナルにお願いし、企画会議に参加していただくことになりました。そのお相手とは……。
押しも押されぬ人気芸人のロンドンブーツ1号2号田村淳さん!Twitterのフォロワー数は日本トップクラスの180万人超え。そのような立場ながら、芸能人がリスクを恐れて避けがちな、社会問題・政治問題への言及にも積極的なことで知られています。
ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏が、リスクを承知で政治や選挙について発信し続けるのはなぜか。選挙ドットコムへの企画に何が足りないのか。90分に及んだ企画会議の内容を前後編でお届けします。
賢い人はコミュニケーションが下手!?
——淳さんは、ツイッターやインタビューでも、積極的に政治問題について言及されてますよね。芸能人にとっては、リスクも伴う行為だと思うんですが、どうして情報を発信し続けていらっしゃるんでしょうか。
田村淳氏
「うーん……表現が難しいんだけど、まず、知識がすごくある賢い人たちって、コミュニケーションが下手だなと思うことが多いんですよね」
——コミュニケーションが下手、ですか。
田村淳氏
「自分の知っていることが一番正しくて、知識量としてもMAXで、違う意見の連中はみんな間違ってるし勉強不足だから話にならない、っていう切り捨て方をする人が多いと思う。特に、政治経済に詳しい人って特にそういう傾向があるんじゃないかと感じます。そういう風にされたら、自分が正しいと思い込めるタイプじゃなければ萎縮して意見が言えなくなっちゃうし、自分が正しいと思ってる奴同士だとすぐバトルが始まっちゃいますよね。でも、ここのバトルを繰り返していたって、新しい人って入ってこないんですよ」
——結局、ある程度詳しい人たち同士でやり取りするばかりで議論が広がっていかない。
田村淳氏
「そう。『もっとみんな政治に関心を持ちましょう』とか言うけど、ここが変わらない限り、政治について語る場、っていうものが広がっていくことはないですよね。そこにちょっとでも貢献したいと思っているところはあって……。僕、ツイッターでも、気になる意見を発信している人にはすぐに直接DMするんですよ。その人がたとえ『お前らわかってない!』みたいな、高圧的な物言いの人でもね。とりあえず、『あなたが安保法案について語っていることに興味があります』とメッセージを送って、色々教えてもらった後に、『僕はこういう性格だからあなたの意見も聞きたいと思ったけど、普通の人はそういう言い方では怖くて聞こうと思わないですよ。せっかくたくさんの知識を持っているのに悲しくないですか』って聞くんです。そうすると向こうも、そこでようやく『それは悲しいです』って言ってくれる。コミュニケーションしたいとは思っているんですよ」
——確かに普通の人は、高圧的な言い方をしている人に直接話を聞こう、とは思わないですよね。
田村淳氏
「あなたの意見を聞きたいです、っていう姿勢さえ見せれば、『お前はわかってない!』って頭ごなしに言ってくる人たちでも、どんどん、新しい意見を出してきて教えてくれるんですよ。こういう人たちの力をもっと引き出したいんです、僕は。知識を持っている人には『そこでもっとこういう言い方をすればいいのに』って思うことが多いし、一方で知識のない人たちに対しても、もっと色々語ってほしいし、知る努力をして欲しいと思う」
——だから、まずはご自身が率先して発信されているわけですね。
選挙ドットコム編集部
編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2016年2月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。