今日は、レビューではなく、つぶやき的に書いてみます。
今、映画界でも注目されているのが、ジェンダーを取り扱う映画。ジェンダーとは、フェミニズムの中では、生物学的性差をセックスと呼ぶのに対して、性別に基づいて社会的に要求される役割などの社会的性差をさす言葉。トランス・ジェンダー、ジェンダー・レス、ジェンダー・ハラスメントという言葉も、よく聞くようになりました。
現在、小規模な公開ではありますが「ジェンダー・マリアージュ 全米を揺るがした同性婚裁判」という映画が公開されてますね。この作品は、同性婚禁止の州憲法修正案が出されたことをきっかけに、同性婚の承認を求めてカリフォルニア州相手に訴訟を起こした2組の同性カップルの姿を追ったドキュメンタリー映画です。
海外では、国、州によって同性婚が認められたり、日本でも都道府県別に対応が異なるものの、同性婚への関心は高まっています。
今年のアカデミー賞のノミネートでも、女性同士の鮮烈な恋愛を描いた「キャロル」(公開中)や、世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリー・エルベを描いた「リリーのすべて」(3/18公開)などの秀作がノミネートされています。
LGBT(GLBT)をテーマにした作品を集めて上映する映画祭もあるし、世界的に、もはや無視できない存在になったということ。保守的と言われるアメリカ映画界では、「蜘蛛女のキス」(1985年)でホモセクシュアルの役を演じたウィリアム・ハートが主演男優賞を受賞したことから、少しずつ門戸が開かれた気がします。
ジェンダー、とりわけ同性愛を取り扱った作品は、実は名作がたくさんあって、ちょっと思いついただけでも、名作がこんなにたくさん!
「真夜中のカーボーイ」「アナザー・カントリー」「フィラデルフィア」「ミルク」
「ブロークバック・マウンテン」「バウンド」「モンスター」「アデル、ブルーは熱い色」etc.
倫理、宗教などさまざまな観点があるので、考え方は人それぞれだと思いますが、他者との違いを個性として喜び合える社会であってほしいと願います。
この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2016年2月18日の記事を転載させていただきました(画像は公式Facebookより、アゴラ編集部)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。