地方議員の犯罪発生率は一般人以上かもしれない

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
今週は何やら嫌なニュースが続き、あっという間に過ぎていった気がしますが、最も衝撃的だったのは現職地方議員の覚せい剤所持容疑での逮捕でした…。


私が最初に所属していた政党で交流があった方で、議員になられてからも時おり連絡をとっていただけに、このニュースには衝撃とともに深い悲しみ・失望を覚えました。

現在はまだ容疑段階ではありますが、覚せい剤使用が事実であればもちろん許されない行為ですし、世間からまたも政治不信を買うことになった罪は極めて重いと言わざる得ません。

政務活動費の不正使用を始め、地方議員の質の低下が叫ばれておりますが、冷静に数値で分析してみると本当にヤバイ気がしています。
s_agota0219

地方議員の犯罪発生率という統計データはないと思いますけど、例えば私が当初所属していた政党は、最盛期に約300人の地方議員がいたと言われています。
この中で私が明確に記憶している限りでも、

・保険金詐欺
・横領
・覚せい剤所持
・飲酒運転

など重大な犯罪行為で立件された方々は4名います。
犯罪発生率はこの時点で1%以上です(まあ飲酒運転は道交法違反ですけど)。
公職選挙法違反や政治資金法違反などを入れれば、その率はさらに上昇するでしょう。

一方でわが国の刑法犯の犯罪率の平均は、およそ0.8%(警視庁犯罪統計資料より)。
刑法犯の犯罪率との比較が適切かどうかはちょっと自信がありませんが、例えば国会議員で引きつけて考えてみましょう。

様々な「不祥事」はあれど、700名超いる国会議員の約1%、7人前後の国会議員が刑法犯で逮捕されるということは想像し難いと思います。

もっと単純に会社で考えてみても、社員300名ほどの組織の中で4年以内に3名以上の逮捕者が出たら、世間からは色眼鏡で見られることを避けられないでしょう。

同じく「選良」であるはずの公人でも、地方議員の質の低さは顕著なものがあるどころか、一般社会とくらべても劣ると評価されかねません。

この体たらくを招く原因は一筋縄では分析できませんし、解決することも一朝一夕には容易ではないと思いますが、明確な要因の一つはやはり選挙制度でしょうか。

基本的に小選挙区制度で数万単位の得票が必要な国会議員に比べて、大選挙区である地方議員は数百票~数千票、全有権者の0.3%ほどの得票で当選できてしまうため、どうしても質の担保がされにくいのかもしれません。

こうした数十人の中から一人だけ投票先を選ぶ「大選挙区単記制」は、先進国の中では珍しい制度と言われており、私は中選挙区への転換、あるいは連記制の採用を以前から主張しています。

「50人から1人だけ、ふさわしい人を選んでください」って無理ゲーじゃない?
http://otokitashun.com/blog/senkyo/9507/

とはいえ、選挙でいくら人格・信条を見極めようとしても、普段は何をやっているのかわからない地方議員ばかり…というのが実情でもあり、なんだか考えれば考えるほど暗くなってきたりしますね。。

選良である議員たちは、聖人君子と言わないまでも、ある程度は人々の模範となる行動を心がけなければなりません。そのためには、自らの行動・考えを常にオープンにしていくことこそが最大の抑止力になるのではないかと私は思います。

今回の件を他山の石とし、改めて襟を正して頑張ります。
しかし…はぁ。。

週末は荒れ模様となりそうですが、良い休日をお過ごしください。
それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

twitter @otokita
Facebook おときた駿