何度も書いてますが、私はALSになっても、むしろALSになったからこそ、これからも仕事を続けたいと思っています。しかし、私がそう思えるのは、たまたま若くして社長をやらせていただき、皆様に存在を知っていただき、良縁に恵まれ、支えてくださる方がたくさんいるからです。
働くということが想像もつかない障害を持った方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。でも、心の奥底では人の役に立ちたいという思いがあるのではないでしょうか?どんな形でも、仕事をすることで社会とコミュニケーション取ることは、生きている実感を与えてくれるのではと思います。
しかし、働くイメージが全く無い人に、いきなり働けと言っても無茶な話です。そこで、どうすればいいのか私なりに考えてみました。
例えばこんな就労支援どうでしょう?
⑴仕事から入るのではなく、普段諦めている自分の欲求・やりたいことを聞く。
・家族にサプライズプレゼントをあげたい
・外食したい、美味しいものを食べたい
・オシャレしたい、ショッピングに行きたい
普段の生活においては、上記のことが大きなハードルがあり、できない障害者の方はたくさんいらっしゃると思います。でも、人として当たり前の欲求です。
⑵じゃあ、働いて自らの手で得た報酬で叶えましょう!
やりたいことを叶える為に、バイト感覚で良いので、働くことを提案する。
⑶仕事のマッチング
ハローワークや民間企業にご協力いただき、軽度から重度まで、出来る仕事のバリエーションを用意する。ここが最重要で、多くの方々の協力が必要です。
⑷仕事する
自宅で出来る仕事なのか、仕事場への外出が必要になるのか、パターンは色々ありますが、ボランティア等のご協力もいただきながら就労します。
⑸得た報酬で願いを叶えます。プレゼント代、買い物や外出に人を使うなら、一緒に行ってもらう人のバイト代に報酬をあてがいます。ここではは看護師さんやヘルパーさんの協力が必要です。
制度のことなど全く不勉強で、既に実現されてたり、的はずれな事を言っていたら申し訳ないですが、一度だけでも、例え1000円でも自分で稼ぐことが出来たら、大きな自信になるのではないかと思います。尊厳を持てるのではと思います。
色々な立場の方の、ご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。
恩田聖敬
恩田 聖敬(おんだ・さとし)
1978年(昭和53年)岐阜県生まれ。京都大学大学院卒業後、2004年複合レジャー施設「JJ CLUB 100」を運営するネクストジャパンに入社。2009年には取締役就任。その後グループ会社であるアドアーズの常務取締役として全国のゲームセンター店舗を回り、希望退職を実施し、大規模な改革を行う。親会社のJトラストでM&A等を担当した後、14年4月に岐阜フットボールクラブの代表取締役社長に就任。サービス業の経験と、会社管理の経験をフルに活かし、サッカービジネスにエンターテイメントの要素を導入も、社長就任と同時にALS(筋委縮性側索硬化症)を発症。病を公表後も社長業を続投したが、15年11月末の公式リーグ最終戦を以って病の進行により、止む無く社長を辞任。
この記事は、岐阜フットボールクラブ前社長、恩田聖敬氏のブログ「片道切符社長のその後の目的地は? 」2016年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。