現在、発売中の雑誌penに、アメリカの住宅バブル崩壊に賭けて大儲けした投資家を描いた映画、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」の私の映画評が掲載されています。
penにはこの映画が、どんな監督の、どんな映画なのかというにに焦点を当てて分かりやすく書きました。しかし、文字数の関係から、どうしたら面白く見れるかという部分については、触れられませんでした。実は、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は、予習すると何倍も楽しくなる映画だと思うのです。
ある一定の年齢以上の日本人は、「不良債権」「住専」「公的資金」などの言葉の意味を、バブル崩壊の時のニュースを通じて知っていると思います。だから、こういう言葉を日本国内のメディアが扱う時は、全くのゼロから説明するという事はないと思います。
それと同じように、リーマンショックの震源地であるアメリカでは、メディアが連日「空売り」「サブプライムローン」「CDS」などの報道をしていました。なので、リーマンショックを経験したアメリカ人に向けて作られたこの映画には、日本人にとっては馴染みのない単語が登場すると感じる人もいるのではないかと思います。
というわけで、日本人に馴染みがないかもしれない、リーマンショック関連のキーワードを紹介します。
空売り(ショート)
株の空売りとは、証券会社から株を借りて売却し、その株が値下がりした時点で買い戻す事で利益を得る投資方法の事です。株の空売りを行うには、信用取引口座が必要です。さらに詳しい説明→引用元:http://www.777money.com/tameru/kara_uri.html
サブプライムローン
サブプライムローンとは、返済能力の低い人たちに住宅を担保として高利で貸し付けたローンのことです。そもそも、プライムとは(prime:優れた)という意味で、そこにサブ(sub:下に)がつくことで、サブ(下に)プライム(優れた)=信用力の低い、という意味なのです。さらに詳しい説明→引用元:http://www.toha-search.com/keizai/subprime-mortgage.htm
MBS
モーゲージ証券(MBS=Mortgage Backed Securities)は、わたしたちが住宅を購入する際に利用する住宅ローン(=モーゲージ)を担保として発行された債券です。モーゲージバック証券、住宅用ローン担保証券とも呼ばれます。債券に投資するタイプの投資信託の多くがモーゲージ証券を投資対象としています。さらに詳しい説明→引用元:http://www.toushin.com/faq/target-faq/mortgage/
格付け機関
格付け機関とは、信用リスクを判断して発表する企業で、格付会社ともいいます。これまで、日本では、金融庁が指定格付け機関を定める「指定格付機関制度」が導入され、スタンダード・アンド・プアーズ、ムーディーズ、フィッチ・レーティングス、格付投資情報センター、日本格付研究所が指定されていました。さらに詳しい説明→引用元:http://www.findai.com/yogo001/0028y01.html
CDS
プレミアム(保証料)を支払ってCDSを買うと、そのCDSが対象としている債権がデフォルト(債務不履行)となった場合に、その損失を保証してもらうことができます。逆に、そのCDSを売った人は、その債権がデフォルトとなった場合は買い手に損失分を支払うこととなります。クレジット・デフォルト・スワップは、スワップという言葉がついていますのでスワップ取引のように思われますが、こういった仕組みからオプション取引となります。さらに詳しい説明→引用元:http://kabusoba.webcrow.jp/derivatives58credit-default-swap.html
これに加えて、リーマンブラザーズ、モルガンなどが投資銀行の名前という事をを理解して映画を見ると、映画の中でも説明はしてくれますから、ストーリーが問題なく入ってくるはずです。そうすると、コメディ映画のような雰囲気も感じつつ、リーマンショックの問題点を理解し、逆張りで大儲けをする主人公たちにどっぷりと感情移入できると思います。
渡辺龍太:放送作家・ブロガー
NHKのニュース、金融番組、ワードショーなど、主に情報番組の構成をやっている。著書は「朝日新聞もう一つの読み方」など。現在、放送業界のIT化を見越して、プログラミング習得中!(プログラミングを10日学んだだけで世界が変わった)
ブログ:http://wr-news.com
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