連日クリントンが勝っただのトランプが勝っただのニュースを賑わせているアメリカ大統領選予備選挙。「トランプ氏がヤバイ」というのは何となくわかるけど一体彼は何を言っているのか。そもそも他の候補の違いは何なのか。
アメリカ大統領選挙って国をあげてのイベントなので、下記写真のように各候補のグッズがいたる所で販売されています。
そんな一大イベントのアメリカ大統領選ですが、現時点での候補の発言をまとめました。これで明日からあなたも通ぶれること間違いなし!
ドナルド・トランプ氏
実業家として活躍しテレビ出演も多いことから選挙前から有名なトランプ氏。しかし、そんなバックグラウンドや彼の政策がどうでもよくなるくらい、彼の暴言が毎日ニュースになっています。
ドナルド氏が発言したことはいろんなサイトがまとめてくれています。
「イスラム教徒の入国を全面的かつ完全に禁止することを呼び掛ける」
「メキシコが送り込んでくる人々(移民)は、ベストな人材ではない…問題だらけで、米国に麻薬や犯罪を持ち込んでいる。彼らは強姦魔だ。中には善良な人もいるのだろうが」
「安倍は米国経済にとって“殺人者”だ」
この時点で既に危険な匂いがぷんぷんします。
選挙期間中に他国選挙の候補についてとやかく言うことは滅多にないですが、トランプ氏については違います。既に複数国の首脳がトランプ氏への批判を展開しています。
ドイツ首脳「ドナルド・トランプ氏..(など)右派ポピュリストは、平和と社会的団結の脅威であるばかりか、経済発展にとっても脅威となる」
ローマ法王「壁を造ろうとばかり考える人は、それがなんであれ、橋を架けようと考えない人は、キリスト教徒ではない」
現在共和党の予備選では12州で勝利を収めトップを走っています。一体この人が大統領になったらアメリカは、いや世界はどうなるのでしょうか…
テッド・クルーズ氏
アメリカの法曹界の中でも秀才中の秀才のみがなれる連邦控訴裁判所調査官(ロークラーク)を経て2012年上院議員に初当選しました。2013年にはオバマケアに反対する妨害演説(フィリバスター)を歴代2位となる21時間以上に亘って行い、政府機関閉鎖を「実現」して有名になりました。当初泡沫候補かと思われていましたが、フィリバスターによって共和党「超」保守派の指示を集め、またキリスト教の信仰を前面に押し出すことで宗教保守の支持をも集めました。
最近ではトランプに対抗する候補として共和党内からも支持が強まっていますが、彼の思想も独特です。
・国民皆保険制度に反対
・銃規制反対
・進化論反対
・人工妊娠中絶に反対
・シリアへの絨毯爆撃呼びかけ
要するにオバマ大統領の真逆を行っているわけです。
しかも、トランプ氏と異なり、クルーズ氏は「超」保守として確固たる理念を持ち、宗教団体などその理念を共有する支持母体を持ちます。トランプ氏より支持固めはしっかりしていると言って良いでしょう。
現在共和党予備選で6つの州で勝利を収めるなど、トランプ氏批判もあって追い上げを見せています。
ヒラリー・クリントン氏
イェール大学ロースクール卒の才媛。
夫ビル・クリントン氏が大統領を務めた1993〜2000年の間にファーストレディを務め有名になりました。その間女性の権利問題や児童保護の問題で活躍し、2000年には上院議員に初当選しています。2008年には大統領予備選に立候補しますが、オバマ大統領に敗れました。
その後2013年まで国務長官を務めました。ファーストレディ時代を含めれば政治家としての経歴が20年を超すベテランです。
政策として
・雇用創出とインフラ整備
・最低賃金の引き上げ
・男女の賃金格差の解消
・処方薬の価格引き下げを含む医療制度改革の拡充
を挙げています。
経歴はもちろんリベラルの本命と言って良いでしょう。しかし、エリートであることが批判される今回の選挙においては彼女の経歴は華々し過ぎます。その意味で不安はありますが、民主党予備選では12州で勝利を収め現在トップを走っています。
バーニー・サンダース氏
1960年代にはアメリカ社会党で活動を始めた筋金入りの「民主社会主義者」。
忘れられがちですが、1981年バーモント州で市長に当選してから政治家として30年以上の経歴を持ち、経験豊富です。「私の内閣はウォール街の代表に独占されたりしない」と述べるなど格差是正を前面に押し出し経済界、富裕層と対決する姿勢を示しています。
政策として
・富裕層への課税強化
・巨大金融機関の解体
・大学の無料化
を挙げています。
現在予備選では8州で勝利を収めていますが、3月に入ってからジワジワとクリントン氏に迫っています。
参考:http://www.bbc.com/japanese/35470423
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編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2016年3月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。