公立で教育費をカットしながら学歴社会で圧勝する方法

藤沢 数希

前回、私立小学校への進学はアホだと書いた。費用対効果の面からではない。たとえ、偏差値を数ポイント引き上げるために1000万円近くかかったとしても、それが経済合理的な場合もありえる。あと一歩で届かない大学に合格し、その後にワンランク上の会社に就職することができたならば、税引き後の生涯賃金で1000万円を回収することは、この低金利の経済環境では十分に可能だからだ(この辺の、定量的な分析はさらに進める必要があるが……)。

しかし、私立小学校は、高校3年次での偏差値、大学卒業時での就職、それゆえに生涯賃金へのポジティブな影響に対するエビデンスはまったくなく、経済合理的ではない。費用対効果もヘチマもないのだ。だから、オススメしないのだが、僕は私立小学校へのお受験に熱心な家庭のモチベーションも十分に理解している。

なぜ人はお受験をするのか

よく考えて欲しい。世の中には、50万円のバッグを喜んで買ったり、100万円や200万円もする毎日時間が狂う腕時計を買うようなバカな人たちがたくさんいるのだ。それに比べたら、鼻水を垂らしながら口を開けばウンコ!ウンコ!!と叫んでいる糞ガキをママ友連中から羨望の眼差しを向けられるブランド小学生に変え、さらに貧乏人の親子と付き合わなくてもよくなるということに対して、1000万円ぐらい払うのは十分にお釣りがくるのではないだろうか? というよりも、高級バッグ、高級腕時計、高級車に比べて、ある種の人々にとって、これは圧倒的にコスパがいいと言わざるをえない。

だから、今後も名門小学校の人気が衰えることはなく、お受験産業は安泰なのである。

 

キラキラ女子は夫の金を使い切ることに異常に執着する

元売れないモデル、元売れない芸能人、元売れない女子アナ、あるいは大量に生産されるミス〇〇など、自分の頭は悪いが、金持ちの旦那を捕まえることに命をかけてきた女性たちは、結婚して子供ができると、異常なほど金のかかる教育に執着するようになる。本当に、異常なほど……。

彼女たちの生活はすべて夫の経済力に依存しているので、夫を失うことを極端に恐れている。そして、本能的に、夫を失う理由は、かつての自分と同じような他の若い女に夫を盗まれることだと思い込んでいる。さて、自分の夫がなぜモテるのか? それは、金があるからだ。それを無くしてやれば、夫も浮気をできなくなるし、ましてや外で別の家庭を作ってくることなどできないだろう、と思えてくる。どうやって無くすか? 簡単なことだ。自分で使ってしまえばいいのだ。そして、ここに我が子への愛情も加わり、それはやがて幼少期からの過剰な教育熱につながっていく。

東京の高級住宅地には、こういう金持ちの専業主婦を狙う悪徳業者が軒を連ねている。一度でもこのカルト宗教にハマると、破滅するまで携帯ゲームのガチャに金をつぎ込むジャンキーのようになり、次々と高価なお稽古事がはじまる。しかし、お稽古事で使える金はたかだか月に20万円程度で、これでは夫の財力はビクリともしない。よって、浮気防止には効果がない。お稽古事が、ピアノやサッカーの専属コーチ、お受験のための専属家庭教師などへ、どんどんエスカレートしてくことになる。高価な専用教材も買い揃えられる。

こうなっては、子供は遊びながら、いろいろと自分で試行錯誤して、こうやった失敗する、こうやったら上手くいく、というようなことを学ぶ時間もなくなり、どんどんバカになっていく。このカルト宗教の被害者は、子供であるのだが、とにかく夫の浮気を防ぐために夫のお金を使い切って安心したいという妻の強烈な生存欲求をターボチャージして、際限なくエスカレートしていくのだ。

僕は投資銀行時代に、こんな夫婦をさんざん見てきた。

 

多くの派手な女性の教育観は狂っている。原因は不明

お金持ちの夫を捕まえた派手な女性は、他の(貧乏な)家庭ではできない特別なことを子供にさせたいと願う。そして、金にモノを言わせて、子供にとっては迷惑この上ない、変な勉強をたくさんさせることになる。そして、ことごとく逆効果になる。小さいころから、華美なブランド物の服を着せたりする。幼児のための英会話学校に通わせる。お受験塾、私立小学校、なぜか日本生まれの日本人なのに特別にインターナショナルスクール……。とにかく、金のかかるものならなんだっていいのだ。

このような教育の末に子供はどうなるかというと、幸いなことに、多くの場合、金が途中で切れて元に戻る。しかし、最後まで金が切れない場合がある。その場合は、良くて、出来の悪いパリス・ヒルトン、悪い場合は、覚せい剤で何度も逮捕され、いまは薬物中毒者のための施設にいる大女優である三田佳子の息子である。
三田夫婦など、高校生の息子に毎月小遣いを50万円わたし、成人してからは70万円もわたしていたそうであるが、ふつうの常識で考えたら、そんなことしたら子供はろくな大人にならないことぐらいわかると思うのだが、残念ながら、誰よりも子供の幸せを願っているはずの母親にはそういうことがわからないことが多いのだ。父親のほうは、子育ては母親に丸投げしているので、気がついたら手遅れになっている。残念ながら、資格のない人間に金と自由を無尽蔵に与えると、ろくなことにならないのは洋の東西を問わない。

母親は子供の幸せを願っているとは思うのだが、どういうわけかとてもズレた教育観を持っている人が多い。大変な努力をして成功してきた金持ちの旦那は、そんな教育をしていてはダメだということはわかるのだが(しかし、仕事が忙しいので放置プレイ)、どういうわけか、奥さんのほうは、親がとことん与えて、子供を特別な人として甘やかすことに抵抗がないというか、それがダメなことだと思わない女性は、とても多いように感じる。条件さえ整えば、誰もが三田佳子のような母親になる素質を持っているのだ。たいていは、貧乏なことに守られて、間違った育て方をする歯止めが効いているだけなのだ。

進化の過程で、なぜそのような母親の性質が淘汰されずに残ってきたのか、いまだによくわかっていないが、とにかく子育てにおいて、こうした女性の脳の欠陥は警戒すべき点である。

 

日本の伝統文化「ペーパーテスト一発勝負」の美しさ

大学までエスカレーター式で上がる私立小学校ではない場合、今度は中学受験だ。また、旦那にそこまでの金はない二線級のキラキラ主婦たちは、公立小学校から、ここで参戦することになる。羽振りのいいサラリーマンや自営業者など、年収1000万円程度の旦那の妻である。

僕は、日本のペーパーテスト一発勝負という偏差値教育には、やや批判的なスタンスであるが、こうした鼻息の荒いお母さん方がたっぷりとお金をかけてきた「特別な」息子や娘たちが、SAPIXや日能研に入り、模試で1万人中7000番台、偏差値39みたいな現実を突きつけられて、急に大人しくなる様子を見ると、ああ、日本の伝統文化とはなんと清らかで美しいものなのか、といたく感心するのである。
さて、中学受験に関しては、また、別の機会に譲るとして、それでは本題に入ろう。

 

公立小中高で子供の教育費をカットしながら学歴社会で圧倒的にひとり勝ちする方法

前回、見たように、中学受験→私立中高一貫校というコースは、実際のところ、大したものではないことがわかった。世の中に出回っている教育に関する言説は、すべて受験産業が儲けるためのバイアスがかかっていることを知るべきだ。こうしたメディアに広告費を払っているのは塾であり私立の学校なのだ。公立を否定し、金のかかる教育を賛美するのは当たり前なのだ。

しかし、費用対効果の点で割に合うかどうかは別にして、確かに中学受験には大学受験偏差値をある程度は引き上げる効果がある。こうした中学受験組に、公立小中高(実質、ほぼ無料の教育)を使って、いかに打ち勝つかを詳細に論じたい。

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編集部より:この記事は、藤沢数希氏のブログ「金融日記」 2016年4月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「金融日記」をご覧ください。