ウィキリークスの衝撃をはるかに超えるパナマ文書ではプーチン露大統領をはじめ、各界の大御所やセレブリティの税金逃れが世界の注目を集めています。
所得税率をはじめ税率が高い国に居住するなら、いかに払わなくて済むかを知恵もとい悪知恵を働かせるのでしょう。では、世界でリッチな国はどこなのか。グローバル・ファイナンスがお届けする、購買力平価を元にした”2015年版:1人当たり国内総生産(GDP)でみたランキング”はこちらです。
25位 フランス 41,396.01ドル
24位 ベルギー 42,923.15ドル
23位 アイスランド 44,575.14ドル
22位 オマーン 44,903.66ドル
21位 デンマーク 45,800.36ドル
2008年に通貨危機に見舞われたアイスランドがランクインしていますが、今年はオマーンに順位を越されてしまいました。そのにフランスは今年トップ25に滑り込み、フィンランドを圏外へ追いやっています。
20位 カナダ 45,800.36ドル
19位 台湾 45,981.99ドル
18位 ドイツ 46,165.86ドル
17位 スウェーデン 46,386.42ドル
16位 オーストリア 46,906.12ドル
原油安により一時は景気後退に陥ったカナダが入り、台湾がアジア諸国としてここでお目見えしています。
15位 オーストラリア 48,288.43ドル
14位 アイルランド 48,786.91ドル
13位 オランダ 48,797.89ドル
12位 バーレーン 52,830.01ドル
11位 サウジアラビア 56,253.43ドル
原油安で財政難に直面するサウジアラビアは、無念のトップ10圏外に。2008年に発生した金融危機の煽りを食らったアイルランドは「ケルトの虎」として復活の兆しをみせつつ、オランダとバーレーンに追い抜かれています。オーストラリアは商品先物の下落に耐え、2015年はオーストリアを抜いて15位に浮上しました。
10位 スイス 56,815.63ドル
9位 米国 57,045.46ドル
8位 香港 57,676.79ドル
7位 アラブ首長国連邦 67,201.88ドル
6位 ノルウェー 67,619.10ドル
世界のお金持ちの預金を預かるスイスが10位でしたが、世界長者番付トップ10の常連国である米国のほか、香港の追撃を受けて2014年からランクダウンしています。アラブ首長国連邦は「ブルジュ・ハリファ」を擁しつつ、2014年に続き7位に甘んじました。
5位 クウェート 71,600.96ドル
4位 ブルネイ 80,335.27ドル
3位 シンガポール 84,821.40ドル
2位 ルクセンブルグ 94,167.01ドル
トップ5は、2014年と変わらず。クウェートを押しのけ、アジアのオイルマネー国ブルネイがトップ5に食い込むとはアッパレです。アジアの金融都市として開花したシンガポールは、余裕の3位に。ルクセンブルグは金融業が発達する上に人口も少ないので、必然的に高くなるという数字のカラクリが一因でしょうか。
1位 カタール 146,011.85ドル
さすが中東トップの富裕国カタール、他の追随を許さず余裕の王座を堅持。天然ガス埋蔵量世界一を謳歌し、2022年にワールド・カップ開催国に選出されるだけあります。2013年のランキングを彷彿とさせ、その絢爛ぶりは不変です。
以上、いかがでしたか?上位25位のうち、欧州が12ヵ国、中東6ヵ国、アジアが4ヵ国、アメリカ大陸が2ヵ国、オーストラリア大陸1ヵ国となりました。と、ここにきてあれ?と思ったあなた。そう、あの国の名前が見当たりませんね・・。
我が国、日本はというと28位で38,797.39ドルでした。英国はそのひとつ上の27位、39,224.92ドルとなっています。通貨安が一因であることは、言うまでもありません。
(カバー写真:Jonybraker/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年4月4日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。