議会や行政はアナログで、特にICTには疎いです。
ビジネスにおけるホームページのノウハウは共有されていますが、自治体ホームページに関しては情報も少なく、まだどこも模索中です。
そこで、「自治体ホームページ改善」に関するノウハウを包み隠さずお伝えしていきます。
インターネットが普及し、私たちは自治体の情報をホームページから取得するようになりました。
自治体もその重要性は認識していて、最近ではホームページのレベルも上がっています。
新宿区でも、平成26年度にホームページをリニューアルが行われました。
綺麗なデザイン、スマホ対応、細かな情報公開などが改善されてました。
ICTへの投資をする姿勢や改善の努力などは、一定の評価ができます。
だからこそ、
「ホームページは、そこそこ頑張っているからこれ以上改善することは特にない。」
と考えている議員や、自治体職員がたくさんいます。
まず第一のポイントとして、ホームページ単体で良し悪しを判断するのではなく、部署横断的な視点が必要です。
ホームページにアクセスする住民は、当然ですが図書館やゴミの分別、各種施設など、自治体の情報を得ることを目的としています。
ホームページ以外でも、コールセンターや窓口などで情報を得ることができます。
本来はホームページで取得可能な情報であっても、ページ内の導線が不適切であったり、情報公開が不十分であれば、コールセンターや窓口にお問い合わせが流れてしまうことになります。
そして、ホームメージが不十分で、人が対応することで多額の人件費が発生しているのが実態です。
ホームページの価値を考える際には、ありがちなPV数やビジュアル上の満足度的なものだけではいけません。
「ホームページ上の満足度を高め、コールセンターや、窓口の問い合わせをどれだけ減らせたか。」
という視点が非常に重要になります。
一般的に、コールセンターや窓口などは、ホームページと切り分けて考えられいます。
そのため、ホームページの効果測定の基準が曖昧な自治体が多くなっています。
新宿区のホームページは月に150万前後ものPVがあります。
これだけ多くの方がアクセスしてきているからこそ、一つの改善をすることで、全体にインパクトを与えることができます。
そして、ホームページを改善するためには、Webマーケティングの導入や施策の策定が必要です。
例えば、行政の内部で
「うちの部署のこの情報は重要だから、もっと目立つように掲載すべきだ!」
という意見が上がったり、また住民の方から
「こんな情報があったら良いのでは?」
という意見がホームページ担当者のもとに集まり、
現在のコンテンツが決定していることでしょう。
しかし実際のところ、これらを反映させてもユーザーのニーズを満たす良いページにはなりません。
ホームページの最大の顧客は、行政の内外にいる声の大きな人たちでなく、ホームページへアクセスしてくる一般の人たちです。
サイレントマジョリティとされる一般の人たちの声は、政治の世界に届きづらいとされています。
しかしホームページに関しては、アクセス解析をすることで、一般の人がどのようなニーズを持っている傾向があり、どのようなルート、キーワードでホームページに到達し、ホームページでどのような行動をとったかを、データから把握することができます。
感覚ではなく、数字に基づき改善をしていくことが必要です。
では、どのように解析し、何を変えれば一般の人たちは満足をするのでしょうか。
続きはまた。
伊藤陽平 東京都新宿区議会議員
http://itoyohei.com/
プロフィール 1987年12月22日生まれ、28歳。立教大学経済学部経済政策学科卒業。2015年4月の区議選で最年少当選。