2014年から行方が分からなくなっていた埼玉県の女子生徒が、先月、東京都の中野区で保護されました。
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以前、女子生徒のご両親らとお会いし、あきらめず懸命に捜索されている姿を見ていただけに、私も心から嬉しく思いました。
ただし、見つかるまでに2年もかかってしまったこと、そして自力で救出されたということを考えると、本事案に関しては警察を評価することは出来ません。
もっと早く見つけることが出来なかったのか、また同じような境遇にいる被害者はいないのか、いるのであればどうやったら助けられるのか、この事件を機にもう一度考えて、行動に移す必要があると思います。
昨日の決算委員会ではその観点から幾つか質問をさせて頂きました。
「なぜ今回の誘拐事件の捜査本部がすぐ解散されてしまったのか」との問い掛けに対しては「そもそも、捜査本部が設置されなかった。捜査本部に‘準じる’体制で捜査にあたった。」という分かりづらい回答だったため、その準捜査本部のようなものと捜査本部の線引きはどこにあるかを聞きましたが、答えて頂けませんでした。
「広域での捜査が行われなかった理由に法制上の問題があるのか」との質問に対しては「ない」とのことでしたが、現実問題として管轄外(市外、県外)への捜査はなかなか出来ないという話が現場からは聞こえてきます。河野国家公安委員長には、ぜひ「現場の改革」をして頂きたいとお願いしました。
文科省に対しては、誘拐を防止する為に、GPS付きの防犯ブザーの導入を要請しました。
既に日本全国で防犯ブザーを配布している小学校は8割以上になります。しかし、子どもの位置情報が入手できるGPS機能があれば、更に犯罪防止と、行方不明になってしまった時の早期発見に役立つはずです。
一昨年、岡山県で小学生が誘拐された際も、携帯電話のGPS機能が功を奏して事件解決につながりました。ぜひ、前向きに導入を検討して頂きたいところですが、昨日の段階では無回答でした。
今は毎月4、5百円で防犯ブザー付きGPSをリースすることも可能になってきました。日本全国すべての小学生にGPSを配布した場合でも、予算は年間300億円ほどです。「臨時福祉給付金」という名目で、ご老人一人当たり3万円というバラマキを実施するよりも、その1/10の予算で、我々の宝である子どもたちの安全を高めることの方が優先されるべきです。
その他、防犯無線の活用等についても質問をさせて頂きました。
警察庁はかたくなに「答弁書」を読み上げるだけでしたが、その後、河野大臣サイドからは改善できるところは考えたいとのご連絡を頂きました。その姿勢は評価したいと思います。
自分の子どもが誘拐されるのではないか・・・親にとっては最大の心配事です。少しでもその不安を取り除くため、また万が一行方不明になってしまった場合の発見の手掛かりとなるよう、今後ともこの提案を進めていきたいと思います。
我々には、埼玉の女子生徒誘拐のような事件から一つひとつしっかりと学び、少しずつ世の中を改善していく責務があるのです。
編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2016年4月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。
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