地震で気づく、お金のすばらしさ

GWで、多くの方が九州にボランティアに行かれると思います。

そんな中、早稲田大学のボランティアセンターがこんな文章を出しました。

熊本地震のボランティア活動を考えている学生のみなさんへ
今回の熊本県を中心とする一連の大規模な地震で犠牲になられた方々には心からご冥福をお祈りするとともに、被災された方々には心からお見舞い申し上げます。
さて、みなさんのなかには今回の甚大な被害状況を見て、「自分も何かしたい!」「被災された地域でボランティアとしてお手伝いしたい!」と考える人も多いと思います。辛く苦しい思いをしている誰かを助けたいという気持ちは尊いものです。WAVOCは、そうしたみなさんの思いや行動を精一杯応援したいと思っています。
一方で、WAVOCには2011年の東日本大震災の際に学生ボランティアをたくさん派遣した経験があります。そのときに学んだのは、ボランティアをしたい思いだけで大学生が準備もなく現地に行っても、被災者のためにはならないということです。私たちがまず考えなくてはいけないことは、「被災された方々の生活が第一である」ということです。まだ、被災されたみなさんの生活状況が一定の落ち着きをみせないうちに、たとえ善意で現地に赴いたとしても、食糧や飲料水、交通手段、宿泊施設等の確保もままならず、結果として被災されたみなさんに迷惑をかけることになってしまうとすれば、著しい本末転倒です。
それに加えて、いまだこの一連の地震が終息したわけではありません。自身の安全は自身で管理するのが災害ボランティアの大原則であり、この観点からもボランティア活動には慎重な判断が必要です。
だからこそ、みなさんは、冷静に、そして状況を的確に判断してください。また、特に拙速な行動は慎むようにしてください。震災支援では、地震が起きた直後だけでなく、これからの長い時間にわたる復興の時期こそに大学生ボランティアがやれることがたくさんあります。WAVOCにはこれまで震災支援の活動をしてきた学生たちによる豊かな知恵と経験がありますので、ぜひ、参考にしてください。

http://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2016/04/21/1780/ 

医師やレスキューなど、よほどの特殊能力がない人が、遠方からわざわざボランティアに駆けつけるくらいなら、代わりに近所で一日バイトして、全額寄付した方がよっぽどよい。

ぼくは人並みの腕力もサバイバル能力もないため、早々に寄付を決めました。

7月までの講演料、熊本大分地震の寄付にします – 愛知豊橋・長坂なおと のblog
http://nagasakanaoto.blog.jp/160425.html

その後、いろいろ頭をこねくり回してみましたが、改めて、僕がボランティアに行くよりも寄付する方がよほどいい選択、あぁお金ってすばらしい、と思い始めました。

豊橋から熊本まで行くのに、片道2万往復4万かかるとします。 4万円かけて僕が熊本に1日ボランティアに行くよりも、熊本近くの誰かが僕の代わりに、4万円分の支援・はたらきをしてくれた方が、よほどいい。 単純に1日1万円としても4日分のはたらきになる。

単純にそれだけのことではありません。 報道であまり出てきていないのでよくわかりませんが、たぶん今、熊本大分では、職場が被害を受けたなど、仕事もままならない人が多いのではないのでしょうか。 そういう方たち、もちろん体力的精神的に余裕がある方に、「仕事」として、支援活動をしてもらう方が、長期的に見てもいいことではないのか。 そのくらい「仕事」をつくることは、大切なことだと思います。

改めて、お金の機能・役割について調べてみました。

貨幣(かへい、英: money)とは、商品交換の際の媒介物で、価値尺度流通手段価値貯蔵の3機能を持つもののこと。

 – https://ja.wikipedia.org/wiki/貨幣 

これを寄付や支援活動(ボランティア)に当てはめて、少し整理してみます。

1.商品交換の際の媒介物

サービスや労働も、もちろん交換可能な「商品」とみなされます。
自分のまちでの働きで得たお金を寄付することで、自分の働きを間接的に熊本での支援活動に変えることができます。
また、支援活動に限らず、現地の必要に応じて現地の判断で、食料など物資に交換することもできます。

2.価値尺度

人には得手不得手があります。
同じ時間のはたらきでも、非力な僕が体力的な活動で出せる成果は乏しく、一方、ありがたいことに、講演など機会があれば、そのときは時間単価のよい働きができます。 逆もまた然り。
つまり、それそれの人が、自分の価値を高められる場所・機会で対価を得て、それを支援に回す方が、全体としてもよいのではないでしょうか。

3.流通手段

ボランティアするヒトが動くにも、支援物資などのモノを運ぶにも輸送コストがかかります。 しかし、お金を使えば、そのコストを大幅に小さくすることができます。今は金融機関などの決済機能も充実しているので、なおさらです。
つまり、お金を介せば、その輸送コスト分も支援活動に充てることができるし、また、交通機関の混雑の緩和にもつながります。

4.価値貯蔵

お金は腐ったり、減ったりすることがありません。
例えば支援物資には腐るものもありますし、嵩があるため保管が大変なものもあります。
ボランティアにも、平日と休日や、地震からの風化によって、その活動人数にばらつきが出てきます。
しかし、お金はそういうことがとても少ないため、必要に応じて、必要な支援活動・物資に変換することができます。

さて、冒頭にも 

遠方からわざわざボランティアに駆けつけるくらいなら、代わりに近所で一日バイトして、全額寄付した方がよっぽどよい。 

と書きました。 ここで提案ですが、「ボランティア行ったつもりバイト」とか、どこかやったりしませんか?

あなたのバイト代、当社が責任を持って全額寄付します

みたいな。 まあ不正防止とか経理上の扱いとか、いろいろハードルはあると思いますが、できない理由を考えてもしょうがないですので。

ただぼくが思うのは、

  • 自分のため、と思うとバイトめんどくさいけど、困っている人たちのためなら、という層がたぶん一定いる
  • 熊本は遠すぎるし、僕が行っても体力ないからお荷物になるだけだけど、1日くらいなら支援につながることしたい
  • 公務員をはじめ副業禁止だけど、自分の所得にならず、直接寄付してくれるなら「つもりバイト」をできる

という潜在需要がそこそこあるのではと思うのです、わからないけど。

いろんなところで「バイトがいない」という事業主の話を聞くので、こんな手法もありなんじゃないのかな、と思いまして。

では!


愛知豊橋・長坂なおと のblog より

プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ