本日、記者会見して参りましたが、ネット署名キャンペーンを開始します。
「ひとり親を救え!」キャンペーンの際は、3万8000人もの方々がご協力くださり、菅官房長官にも署名を手渡せ、結果としてひとり親の児童扶養手当を倍増させることができました。
今回は、目標5万人です。みなさんからの声を集め、菅官房長官をはじめとした、政府高官の皆さんにお願いをして回りたいと思います。すべての子ども達が、お金を原因に学ぶことを諦めないような社会を創るべく。
皆さん、署名や拡散によって、力を貸してください。ともに、社会を変えていきましょう。
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■キャンペーンタイトル
「ママを困らせたくないから、勉強したいけど私働く」をなくしたい。給付型奨学金を実現してください!
【6人に1人の子どもが貧困状態に】
今、日本では6人に1人の子どもが、貧困状態にあります。
貧困ラインは、子ども1人のひとり親家庭だと、年収約158万以下。修学旅行に行くのも難しく、学びたくても塾に行くこともできません。
我々子どもの貧困支援団体として活動する中で、
「ママを困らせたくないから、勉強したいけど私働く」
「奨学金を返すために、風俗でこっそり働いています」
という声なき声を日々聞いており、何とかしなければと強く思っています。
【経済格差が、学力格差に】
2013年の全国学力テストを分析すると、世帯収入が低い家庭は、そうでない家庭よりも、正答率が20%も低かったというデータがでました。家庭の経済格差が学力格差を生んでいることが明確にわかります。
【給付型奨学金という解決策】
こうした事態を解決するために、奨学金、特に給付型奨学金が必要です。
日本には貸与型の学生ローンはありますが、本来的な意味での奨学金(給付型)がほとんどありません。
他の先進国を見てみると、大学は無償か非常に安価です。有償でも給付型奨学金があることで、負担が軽くなっていますが、有償なのに給付型奨学金がないのは、なんと日本のみ。
天然資源に恵まれず、人が最大の日本なのにもかかわらず、です。
【教育は、経済成長ももたらす】
教育は経済成長にも密接に関係しています。「学生の認知能力が 1 標準偏差が上がると、年間の GDP が 1.2~2.0%上昇する」という調査があります。(E.Hanushsek 2010)
また、安いものを大量生産するキャッチアップ型経済から、イノベーションによって高付加価値型商品やサービスを広げる日本経済へと変貌を遂げるためには、高度な人材資本の蓄積は欠かせません。
【財源は、ある】
どこからそんな財源が、と思われるかもしれません。実は財源はあります。 休眠預金です。
みなさんの銀行預金は10年放置していると、休眠預金となります。昔のお年玉を入れていた口座、どこいったけな、っていうあれです。
休眠預金は銀行の雑収入として処理されますが、その額、毎年約1000億円。 イギリスや韓国等では、このお金を「返して」という場合は預金者にいつでも返しながら、それでも永久休眠化してしまうお金が大半なので、社会福祉や奨学金に活用しています。
そう、誰も傷つかず、貧困の子ども達を助けることができるのです。休眠預金の1割である100億でも使えれば、年間100万円を1万人の子どもたちに奨学金として給付できます。
これは、児童養護施設の卒業生全員が進学できる計算です。
【すべての子ども達に、学ぶ機会を】
給付型奨学金を実現して、最も困窮している子ども達にも、学ぶ機会を!!
私たちは声をあげたいと思います。
以上
給付型奨学金の実現を求める有志一同 (呼びかけ予定)
2016年5月4日現在 ◎は世話人
50音順
青野 慶久 サイボウズ(株) 代表取締役社長
赤石千衣子◎ 特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ 理事長
安藤哲也 NPO法人タイガーマスク基金 代表理事
岩切準 NPO法人夢職人 理事長
今井悠介 公益社団法人Chance for Children 代表理事
今村久美 NPO法人カタリバ理事長・中央教育審議会委員
大竹文雄 大阪大学教授(労働経済学・行動経済学)
小澤いぶき 児童精神科医・NPO法人PIECES 代表理事
工藤啓 認定NPO法人育て上げネット 理事長
工藤七子 日本財団ソーシャルイノベーション本部 社会的投資推進室
倉持麟太郎 弁護士・慶應義塾大学非常勤講師・東京MXテレビ「モーニングクロス」コメンテーター
小林りん インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢代表理事
駒崎弘樹◎ 認定NPO法人フローレンス 代表理事
小室淑恵 (株)ワーク・ライフ・バランス 代表取締役社長
柴田悠 京都大学准教授
治部れんげ ジャーナリスト、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員
白河桃子 少子化ジャーナリスト 相模女子大客員教授
慎泰俊 NPO法人リビング・イン・ピース 代表理事
瀬尾傑 現代ビジネス編集長
膳場貴子 ニュースキャスター
宋美玄 産婦人科医
田原総一朗 ジャーナリスト
津田大介 メディア・アクティビスト
中室牧子 教育経済学者/慶應義塾大学総合政策学部 准教授
能島裕介 NPO法人ブレーンヒューマニティ
林恵子 認定NPO法人ブリッジフォースマイル
堀潤 ジャーナリスト・NPO法人8bit news 代表
松田悠介 認定NPO法人Teach For Japan 代表理事
米良はるか (株)READYFOR 代表取締役CEO
森山誉恵 NPO法人3keys 代表理事
山本繁 NPO法人NEWVERY 理事長
渡辺由美子◎ NPO法人キッズドア 理事長
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2016年5月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。