自民党クールジャパン特委にて

自民党クールジャパン戦略推進特命委員会。
山本一太委員長、三原じゅん子事務局長。山口俊一・知財/IT/クールジャパン担当前大臣、平将明・前副大臣らキーパーソンも参加。

政府からも知財本部、内閣府、経産省、総務省、文科省、外務省、国交省、農水省、金融庁。

第一回のゲストとして呼ばれました。テーマは「クールジャパン拠点の整備」。山本委員長が海外展開コンテンツの例としてひとしきり少年ナイフの解説をしてくださって、それからぼくがプレゼン。

ぼくは以前はスーツだったんですが、和服に変えたのは、政府・知財本部の席で、クールジャパンが議題になった時に、「ファッションの海外展開とか言ったって、委員のみなさんスーツじゃないですか」と言ってしまってブーメランが帰って来たから。それから6年。

政府・与党は、知財本部でもクールジャパン政策でも力を込め、その熱意は民間にも伝わっています。支援策も充実してきました。

放送コンテンツの海外展開(BEAJ)やコンテンツ二次利用の著作権処理(aRma)、さらに官民ファンドとしてクールジャパン機構が設立され、コンテンツ、食、ファッションなどの海外展開が後押しされています。ボールは民間に投げられ、これらがビジネスで成功する成果が待たれる状況です。

成果は現れ始めているのではないか。2011年までの5年間で、映画の海外収入は-10%、放送番組は-28%でしたが、自民党政権に戻り、2015年までの5年間で映画は79%増加、放送も大幅増加に転じています。

課題はクールジャパン会議でも知財本部でも列挙されています。もう十年以上も議論しているわけで、知恵はもう十分出されました。議論よりアクション、アクションより成果。

いま最も求められているのは、それらをひっくるめて、官民連携で仕事をするプラットフォーム、具体的にコトを起こしていく場や拠点だと思います。

世界的にはモデルもあります。たとえばコンテンツのハリウッドとITのシリコンバレーを抱えるカルフォルニア。企業主導で作った強大な地域ですが、参考にするには広すぎる。

あるいは韓国。韓国政府はコンテンツコリアラボというコンテンツの人材育成と起業支援を行うセンターをソウル市内に作っていて、年間12億円を出して運営。

ソウルのゴミ捨て場を再開発して、放送局やアーカイブ、ミュージアムなどを集積したデジタルメディアシティを国とソウル市が連携して建設。政府主導のパワフルな場づくりです。

これに対する拠点を作るとすれば、東京でしょう。オリパラがやってくる2020年をターゲットにして、海外に向けて、産業と文化、技術も教育も集積して融合させる取組が欲しい。

ぼくが進めている竹芝のCiPもその1つのモデルになると思います。シリコンバレーとハリウッドをギュッとコンパクトにして、だけど日本的な場にしたい。技術だけじゃなく、ポップで、クールで、みんなが参加できるオープンな場です。

既に首相から国家戦略特区の認定を受けています。21世紀の出島を作りたい。約50の企業・団体が参加しています。政府の支援はまだいただいていないが、まずはやる気のある民間企業や大学が集まって活動を始めたものです。

もちろん竹芝だけでは足りません。東京には秋葉原や池袋といったポップカルチャーの町があります。品川や羽田でも大規模な再開発が待っています。そういったところでもクールジャパンの機能を持ってもらい、東京をポップの世界の拠点にしましょう。

他にも熱心な都市はたくさんあります。例えば京都はコンテンツ特区に名乗りを上げて、映画村を再開発して、映像やマンガの研究開発や人材育成を行う構想を進めており、我々とも高速回線で結んで連結特区になろうと相談しています。

吉本興業が国際映画祭を開催している沖縄でも、コンテンツの制作と人材育成の拠点を作る構想が進んでいます。このようなクールジャパンに熱心な都市をネットワーク化して、連結して、クールジャパン列島として発信力を高めたい。

箱モノはもういりません。箱はあります。民間が作っています。応援をいただけるのなら、ソフトや中味にお願いします。2020に向けて賑やかになる機運を活かして、日本のポップを盛り上げるよう、政治のリーダーシップをお願いしたく存じます。

議員からのコメントがありました。

平将明議員:民間からのプランでも、補助金頼りではなく、ファンドが出資するくらいのものがほしい。MANGA議連とも連携しよう。国家戦略特区も駆使しよう。羽田空港の跡地に18mの実物大ガンダムに来てもらう案もある。

山本一太委員長:国立漫画喫茶構想というお台場にオタクの拠点を作る取り組みがあったが、白紙になってしまった。ハコを作るのではなく、中身を作ることが重要。地方創生を見据え、地方とも連携したい。

山口俊一顧問:ネットワーク化がよい。徳島ではコスプレイベントに外国人観光客も来るようになった。それらのハブやコアを作る予算や基金も必要ではないか。

山本一太委員長:人材育成。ロングテール戦略も重要だが、ど真ん中からエベレストを登っていくような人材も必要だ。世界に出てトップを目指す人材が欲しい。個人的に映画に思い入れが強く、映画産業を応援する PT を行っている。

伊藤信太郎議員:新しいものが生まれるには色々な人が集まり、違うエネルギーが必要。それは補助金頼みじゃいけない。技術 x アートのカオスが必要だ。

平将明議員:海外の映画に関して、税制優遇や補助金支援がどの程度あるのか。
(中村コメント:カナダ等では税制による優遇がある。またフランスでは映画への補助金がある。国によってやり方はさまざまだが、日本より手厚いものが多い。)

伊藤信太郎議員:文化は保守や伝統から抜け出すこと。生きるとは反発。
(おお!)