私は人工知能などのテクノロジーを政治に応用していくことを目指していますが、まずはそれらの仕組みを利用できなければなりません。
特に人工知能の分野でも注目を集めているのが、IBMのWatsonです。
Watsonは、クイズ番組で人間のクイズ王に勝利したことが知られている人工知能です。
Watsonに関連する特定の機能を呼び出せるWatson APIが、今年に入って日本語対応しました。
しかも一部は無料で使えます!
【速報版】IBM Watson日本語版API 提供開始、三菱東京UFJ銀行もLINEでQAサービスを開始、という記者会見へ
つづいて、ソーシャル上でのポジティブ/ネガティブ分析と、さらにはネガティブワードから課題に結びつきそうなワードまで提示してくれました。
それを聞いた彼は、その課題を解決する「社内事例はあるかなぁ」と、これまたゆるい感じで尋ねると、すかさずブレーンは社内のデータベースから、過去の提案書をいくつも持ってきてくれます。
すごい。こんなアシスタントが欲しい・・・。
もちろん、社内の情報がきちんとストックされている必要はありますが、それでもすごい。
そして、ここからがさらにすごい。シーンは変わって、女性の営業担当。スマホに向かって「ねぇブレーン、今週末にPepperを3台手配したいんだけど、どうすればいいかな?」。数日内でPepperを3台現場に持ち出そうとは、なかなか難しいオーダーです。さっそく調査をしたブレーンは「予約で一杯です」と、納得の回答を出します。しかし、ここからがブレーンの真骨頂です。
「ただ、予約が一杯だった状況で、デモ機を入手できた事例を分析すると”中野”、”検証機”というキーワードが現れてきます。中野さんはデモ機の代わりに検証機を貸し出しているそうです」
「現在パリに出張中ですが、電話しますか? パリは今、午前9:34です」これには驚きです。頼まれてもない (人間から指示を出していない) のに、自らソリューションを提示しようとするのです。しかも、電話先の時間まで教えてくれる、
もはや”おもてなし”の領域です。
「すぐに電話でつないでっ」と、軽やかに電話をさせる彼女の押しの強さに感心させられたところで、動画は終わりました。
これまでも人間の仕事がコンピュータに代替されてきましたが、Watsonなどの登場で知的労働の部分にもかなり組み込まれてくると考えられます。
人間はその時点でコンピュータで代替できない領域を見つける工夫が今以上に求められるようになるでしょう。
もちろん、行政や議会の仕事だけ古いままではいけません。
その議会では最近やっと会議中にパソコンが使えるようになりそうな雰囲気が出てきたところで、まだまだ先は長そうですが。苦笑
さて、実際にソースコードを落として、Watson APIをいじってみました。
こちらのサイトに登録すると、すぐにクラウド環境で開発を始めることができます。
IBM Bluemixトライアル:サインアップ
とりあえず、区職員の給与が平均700万円という背景があるため、行政職員をロボットにできないかという発想で考えてみました。
実験的に、下記のサイトを参考に「Dialog」と「Natural Language Classifier」というWatson APIを利用してみましたが、どちらも私のような素人でも簡単に動かすことができました。
IBM Watsonを使って簡易版電子彼女的なものを作ってみる(設計編) – よっぽどのことがない限り更新しないブログ
特に入力した文章から関連するカテゴリーを分類し信頼度を数値で表示できる「Natural Language Classifier」というAPIは、クイズでも利用されてきたシステムをさらに改良したようなAPIです。
人間が用意したデータの内容を正確に呼び出すことはこれまでも可能でした。
曖昧なものや登録していないものまで、コンピュータが信頼度を出せることは大きな進歩だと感じました。
こちらのページでWatson APIのデモが体験できますので、ご興味のある方はぜひ触ってみてください。
ピザ屋の自動チャットシステム↓
Dialog
入力した文章から、温度や天気のどちらに分類されるかを返してくれるシステム↓
Natural Language Classifier
こちらのテストデータで学習をしていますが、「sleet」「foggy」「typhoon」などはデータに存在しないのにしっかりと分類されてしまうからすごいです。
—
来週には「IBM Watsom Summit2016」というイベントもあります。
IBM Watson(ワトソン) – Japan
私もハンズオントレーニングなどいくつかのプログラムに申し込みました。
ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
それでは本日はこの辺で。