久しぶりに西武新宿線に乗って上石神井まで出かけてきました。日本不動産投資アドバイザリーが開催した未公開物件の現地見学会です。4名の投資家の方と一緒に、現地の案内をしてもらい物件の内部を見学させてもらいました。
建物は店舗を除いて現在空室になっていて、写真のようにかなり劣化しています。今後、風呂、フローリング、キッチン、エアコン、外壁などを売主にフルリノベーションしてもらい、賃貸募集が可能になった時点で引き渡すという取引形態になっています。
昨年、都内に物件を購入した時は、金曜日に情報をもらい、土曜日に買付を入れるという超スピードでした。今回の物件も、売主の都合で、今月中に契約が必要というスピードが要求される物件です。その分、価格は歪んでいます。
ワンルームに比べればリスクはかなり高くなりますが、その見返りに期待できるリターンも大きくなります。鉄筋コンクリートの新耐震物件で、防水工事もしっかりやってもらえます。3階建てでエレベーターが無いので、管理コストが低く抑えられるのも魅力です。さらに将来の建て替えによるアップサイドも狙えるメリットの多い物件です。
想定家賃の計算をするために、帰り道に近くの不動産会社に寄ってみました。周辺の賃貸物件の家賃水準をチェックするためです。ワンルームの家賃は1000円刻みで激しい物件競争となっていることがわかりました。微妙な家賃設定によって、賃貸付けが大きく変わることを実感します。店舗と居住用のワンルーム、それに駐車場の貸し出しを想定家賃から計算すると、利回りは7%程度になります。都内の物件では、公開物件では見られない利回り水準です。
大きな金額の不動産投資ですから、慎重な決断が必要ですが、一方で時間の制約の中で最終判断をしなければ物件は無くなってしまいます。
このような物件を目の前にして決断できるようになるには、普段からの「素振り」が大切だと思います。多くの物件を出来る限り現地に行って視察して、自分なりの判断基準を少しでも磨いておくことで、目の前にある物件を評価するモノサシを持てるように準備をしておくのです。
物件だけではなく、ファイナンスも重要です。自分の借入余力や借入条件について、大まかな数字を知っておく。あるいは、確定申告の書類や法人の決算書のデータをいつでも提出できるように準備しておく。こちらも普段からの「素振り」がイザという時に威力を発揮します。
表に出ることなく、今週中には新しいオーナーが決まるであろう未公開物件。不動産の「歪み」の神髄を実感する貴重な体験でした。
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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。