最後の決算委員会(その②)

二つ目は「国民のお金に対する政治家の意識」。

ここでは舛添都知事(第一次安倍内閣の元厚労大臣)の公私混同問題にも言及させて頂きましたが、その趣旨は国会議員や地方議員も含めた日本の政治家全体に蔓延する意識の低さについて議論する為です。

(因みに安倍総理は「公私混同という厳しい指摘がなされている以上、政治家はまさにこれは『信なくば立たず』でありますから、しっかりと説明責任を果たしていくことが求められている」と、初めて舛添さんの問題に対する見解を示されていました)

自分の金は勿体ないから極力使わない。しかし、政党助成金のように国民からもらったお金は、自分の食事代や家族との宿泊費にも使ってしまうという意識は、税収をはるかに超える予算を編成し、それをどんどん使ってしまおうという考え方と根本は同じです。

また、ハーバード・ビジネス・レビューに寄稿されていたベイン社の一文も紹介させて頂きました:

『長年に渡って世界的な企業を調査したところ、大企業になって成長を続ける会社の経営者には「共通する」ふるまいや行動パターンがあることを発見した。それは「ファウンダーズ・メンタリティ」(創業者精神)をしっかりと持っていることだ』と。

そのファウンダーズ・メンタリティとは:

・すべての事業を自分のこととして捉え
・現場が好きで
・自分のお金のように、会社の金を大事に使う

「自分の金のように、会社の金を使う」は国会議員や官僚でいうと「自分の金のように、国民の金を使う」ということ。
やはり、会社を成長させることができる経営者も、国を建て直すことができる政治家も、基本は同じなのです。

そして三つ目は「憲法改正」について。

日本国憲法が公布されて70年。
私は時代にそぐわない部分は、憲法を改正するべきとの立場です。憲法改正を発議する最初の項目として、「世の中の機運は高まっているが、総理の考え方とは違う」というものを、あえて選ばれるのが良いのではないかと提言をさせて頂きました。

例えば憲法24条。

昨年の代表質問で「同性婚を認める前提として憲法24条は問題となるとお考えでしょうか、なるとお考えの場合は憲法改正の候補として検討されてはいかがでしょうか」と聞いた際は「極めて慎重」と答弁されていました。しかし、それ以降に米国の連邦最高裁が同性婚を禁止する法律は違憲であるとの判断を下したり、世田谷区や渋谷区では同性パートナーシップに関する制度が開始されたりしています。

そこで、総理に「その後、心境の変化などはおありか」とお聞きしました。

直接的な答弁はありませんでしたが、逆に代表質問の時と違って否定的なことも言いませんでした。多少はその必要性を感じはじめているのかもしれません。

家族の在り方は国民生活にとって「最重要項目」の一つであり、時代の流れとともに大きく変化しているものです。私は最初の改正にふさわしいのではないかと考えています。


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2016年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。

お知らせ:ダイヤモンドオンラインで新連載「松田公太情熱対談 革命はアウトサイダーが起こす」好評連載中。

松田公太さんの近著「愚か者」(講談社)、好評発売中です。

松田 公太
講談社
2016-01-15