速報!LGBTへの理解促進を国が閣議決定

昨日6月2日付けで閣議決定された、「ニッポン一億総活躍プラン」といわゆる「骨太方針」にて、国がLGBT等についての理解促進と、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進める旨が記載されました。

これは国としてLGBT関連の課題解消に取り組む、という宣言であり、これらの計画に載っている以上、かなり高い確度で来年度の予算措置がなされ、何らかの事業が始まります

ニッポン一億総活躍プラン」(平成28年6月2日閣議決定)
14-15ページより

(7)社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供・若者等の活躍支援 社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供・若者(発達障害者など)等に対して、個々人の特性に応じて将来の目指すべき姿を描きながら、医療、 福祉、教育、進路選択、中退からの再チャレンジ、就労などについて、専門 機関が連携して伴走型の支援に取り組む。

若年無業者等についても、ハロー ワーク、地域若者サポートステーション、自治体、NPO 等の関係機関が連携 して、就労・自立に向けた支援に取り組む。

さらに、性的指向、性自認に関 する正しい理解を促進するとともに、社会全体が多様性を受け入れる環境づ くりを進める

骨太方針「経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~」(平成28年6月2日閣議決定)
10ページより

(6)障害者等の活躍支援、地域共生社会の実現

障害者、難病患者、がん患者等も、それぞれの希望や能力、障害や疾病の特性等に応じて最大限活躍できる社会を目指し、就労支援及び職場定着支援、治療と職業生活の両立支援、障害者の文化芸術活動の振興等を進め、社会参加や自立を促進していく。

性的指向、性自認に関する正しい理解を促進するとともに、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進める

全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り高め合う地域共生社会を実現する。

このため、支え手側と受け手側に分かれるのではなく、あらゆる住民が役割を持ち、支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティを育成し、福祉などの公的サービスと協働して助け合いながら暮らすことのできる仕組みを構築する。

一億プランは若者の文脈で、骨太方針は障害者の文脈での掲載のため、「若者だけじゃない」「障害じゃない」という反発も起きかねないという意味で、細かく言えば筋わるではあるのですが、それでも、どこにも書かれないより、これらのことが書かれた、というのは非常に大きなことです。

ちなみに多くの場合、人権や男女共同参画の文脈に載ることが多いようで、有名な渋谷区の通称「同性パートナーシップ条例」も、正式名称は、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」です。

ちょうど来週の議会で、豊橋市のLGBT等の現状や対応について、議会で質問をする予定で、その準備中であったので、この動きはとてもありがたい。 これ以上はないほどの後押しです。

というより、むしろこのブログを書いたために、詳しい人が情報を寄せてくれました。
ありがとうございます、めっちゃ感謝です。

折しも前日、広告代理店の博報堂が設置した、LGBT総合研究所が、こんな調査結果を発表しました。

LGBT総合研究所では、LGBTに関する意識調査を実施しました。

全国の20~59歳の個人100,000名(有効回答者数89,366名)を対象に実施したスクリーニング調査の結果、LGBTに該当する人は約5.9%(レズビアン:1.70%、ゲイ:1.94%、バイセクシャル:1.74%、トランスジェンダー:0.47%)、またLGBTにあてはまらないAセクシャル(※1)など、その他のセクシャルマイノリティに該当する人は約2.1%となりました。

※1 Aセクシャル:無性愛者。他者に対し、性的指向を持たない層。
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/27983

5.9%と2.1%と合わせると、8.0%。

これは同じく広告代理店の電通が、昨年行った調査とかなり近い数字であり、

株式会社電通におけるダイバーシティ(多様性)課題対応専門組織「電通ダイバーシティ・ラボ」(以下、DDL)は、この4月に全国69,989名を対象に、LGBT(※1)を含む性的少数者=セクシュアル・マイノリティ(以下、LGBT層)に関する広範な調査を実施しました。

その結果、LGBT層に該当する人は7.6%、(略)となりました。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0423-004032.html

両方ともその回答者数が約9万と約6万とかなり大きな数であり、双方合わせてかなり精度の高い数字(%)であると判断できます。

40人クラスであれば3人程度、セクシャルマイノリティーの方がいるということです。全国どこでも

これは非常に生物学的な話のため、 都会だから多い(たくさん生まれる)、田舎だから少ない(生まれない)ということは、ありません。

自分で住むところを選べるようになる年齢・経済環境であれば、住みやすいところ(都市部?)への移動などありえますが、そうでない段階、つまり学校の教室などでは、全国どこでも差はないと考えられます。

豊橋市役所には、約3,500人の職員がいますので、単純計算なら、きっと250人程度の方がいらっしゃるのでしょう。 もっと言えば、十数人に1人の割合ですから、どの課にもひとりくらいいてもおかしくないわけです。

理解促進は、こういうところがスタート地点です。

では!


愛知豊橋・長坂なおと のblog より

プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ