地元の中学校で、ネットモラルについての講演会があったので、僕も行って来ました。
講師は、KDDIの方がしてくださったようです。
さすが大企業、こういう教材動画もちゃんとあるようで、次の3つのテーマの動画が流れました。
- ネット炎上(バイト先の冷蔵庫に入った写真をアップ)
- LINEいじめ
- なりすまし(ネカマ)からの誘拐未遂
このうち、LINEいじめの動画はこんな感じでした。
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夜、女の子4人がLINEグループでやり取りしている。そのうちひとりが「既読スルー」状態が続く。
それに気に入らないリーダー格の女の子が、「既読スルー」女子を外した3人で新たなグループを作成。
「あの子、気にらない。 明日あの子無視しよう」
翌日、「ごめん、昨夜取り込んでて、なかなか返信できなくて・・・」 『ふたりとも、行こっ』
その夜、他2人がリーダー格の女の子にLINEで、
「今日の、あれはひどいよ」「もう私たち、あなたとは付き合わない」
更に翌日、リーダー格の女の子が、不登校に。。
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ネット炎上や、なりすましが、3000万の損害賠償&内定取り消し、誘拐未遂というわかりやすい実害を提示しているのに対し、LINEいじめ動画のあとに出てきた言葉それは、
因果応報
講師「この言葉、知ってますか?」
正直、ぽかーんとしてしまいました。
いじめた人がいじめられる、ということを言いたいのでしょうが、残念ながらそんなことはなく、むしろ学校という狭く短期間のコミュニティでは、いじめる側はずっといじめる側にいつづけ、いじめられる側はずっといじめられる側、というのが、多くの人にしっくりくることでしょう。
ざんねんながら、そんなドラマみたいな下克上は、スクールカーストでなかなか起こらない。
そして、もちろんいじめの原因は、LINEにあるのではなく、LINEがないときには、交換日記が、自分の元には回って来ない交換日記らしきものの存在が伺える、というだけです。
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さて、ぼくはどちらかというと、いじめられる側の人間でした。 もし、ぼくがあのタイミングで後輩の中学生たちに、そして、当時のぼくに伝えることができたならば、伝えることはこれだけ。
今の、中学のときの友人を、将来、自分の結婚式に呼ぶことは、ほとんどない。
ぼくもこれまで何度か、友人の結婚式・披露宴にご招待いただいたけど、中学の友人に呼ばれたことは一度もないし、そして、自分が行った披露宴で、新郎新婦の「中学友人」と書かれた席次表を見たこともない。
(今は地元にいることもあり、中学の友人から2次会にお招きいただくことありますが、披露宴はない)
あなたがもしかしたら、不登校やましてや自殺を考えてしまうほど、大切な大切なかけがえのない友人は、ざんねんがら、あと10年15年もしたら、ほとんどの場合、そうでなくなっています。
だから、今の友人関係だけで、そんなに悩まないでほしい。 高校に行ったら、専門学校に行ったら、大学に行ったら、きっともっと素敵な人間関係をきっと築けます。
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そして、いじめ対応に必要なことは、いじめゼロを目指すことも大切だけど、それ以上に現実的なのは、学校外の逃げ場をつくること、だと思う。
中学生・高校生の「いじめ自殺」は聞いても、大学生以上では聞くことがない(もちろん、あるだろうけど)。
それは、大学生以上では、バイト先やサークル、ネットコミュニティ、あるいはひとり暮らしの自宅など、学校以外のコミュニティがあるからで、ひとつのコミュニティでいじめらても、別のコミュニティに逃げることができる。
けれども、ほとんどの中学生・高校生にはそれがない。 学校が唯一、そして全て。
じゃあ、今の中学校・高校のあり方のままで、どんな逃げ場をつくれるのか、そこまでの案は持っていない。 けれども、もしかしたら、インターネットコミュニティが、そういう生徒たちに「逃げ場」となりうるのかもしれない、とふと。
そのときに、親や先生は、その逃げと逃げ場を認めることができるのだろうか。
では!
愛知豊橋・長坂なおと のblog より
プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ